2014.01.24

ビッグデータ活用による医療機関の変革
Panorama Software BI Blog より

 企業が保有するビッグデータを構成する情報はもっとも価値ある資産であることは確かです。あらゆる業界の中でも特に医療機関ではビッグデータの有用性が重視されています。電子カルテをはじめ関連するさまざまなツールの出現により、患者の履歴データなど多くの有用な情報にすぐにアクセスできるようになったことは、実質的に医療業界の業務に大きな変革をもたらしました。

 近年のソリューションの進化によって、医療機関はビッグデータおよびBIをより有利に活用できるようになりました。例えばビッグデータソリューションによって患者の個人情報、診断の精度改善、対処療法から一歩進んだ積極的な治療などに適切に対応することができます。病院システム、民間医療機関、医療検査研究所などがこのメリットについて詳しく知ることで得られるメリットは大きいでしょう。

 医療機関での広範囲なビッグデータの取り組み
 フォーブス (Forbes) によると、医療機関ではビッグデータプラットフォームをさまざまな方法で有効に活用しています。北米の保険代理店Aetnaは最近「Epocrates Bugs + Drugs」と呼ばれるアプリケーションを発売しました。これはモバイル機器を活用して、ビッグデータから得たさまざまな形の病気を促進する細菌の反応および治療に対する細菌の抵抗に関する多くの有益な情報を医師に提供するものです。また企業向けに健康管理ソリューションを提供するBenovateは予測分析 (predictive analytics) と同様の予測技術を持つプログラムを使用して特定の患者の全体的な健康状態および推奨される治療方針を予測する取り組みを行っています。

 全般的に、ビッグデータおよびBIを使用すると有益な測定基準を詳細に分析することが簡単になります。経営層から入院受付事務担当者までの幅広い部門で財務、患者満足度、専門医への照会などさまざまな測定値をBIで分析することができます。

 医学上根拠のうすい説に実証データで反論
 フォーブズの別の記事では、医療の分野でビッグデータが非常に有効に利用されている例を紹介しています。小児期の予防接種が自閉症スペクトラム障害の原因になる可能性があるという説がありますが、これには多くの人が疑念を持っていました。ところがこの説の支持者はこれを強硬に主張していました。記事によると、外交問題評議会はビッグデータを分析してこの説がもたらす可能性がある全世界の乳幼児の健康への脅威を指摘しました。

 記事によると予防接種率が低いあるいは予防接種がないことが原因で発症し、接種を実施すれば予防できる可能性があることがわかった疾病の2006年以降の発生件数を表示するグラフを紹介しました。このようなことはビッグデータが確実に医療機関にさまざまな形でメリットを提供できることを証明しています。