2014.02.13

クラウド移行に伴うセキュリティ懸念
Panorama Software BI Blog より

 企業のデータをクラウドで保存することでデータへのアクセスが大幅に向上しますが、データセンター統合とクラウドサービスの導入についてはまだ消極的な企業が多いようです。情報セキュリティ会社セーフネット (SafeNet) が世界各国のITおよびセキュリティ担当の経営者およそ600人を対象に行った最近の調査によると、クラウドサービス移行に伴うセキュリティの必要性について懸念している企業が多いことがわかりました。

 クラウドでの安全なデータ保持に欠かせない暗号化技術
 今回調査したIT担当者のおよそ4分の3がデータセンター統合の重要性を認識していますが、このうち62パーセントは暗号化キーの管理について懸念を表明しています。セーフネット (SafeNet) 社の上級副社長プラカシュ・パンジャニ氏は、BIを保護するもっとも効果的な方法は暗号化キーを使って暗号化することであると述べています。調査によると、暗号化キーを集中的に管理している企業は回答者の半数以下にとどまっています。このため監査が困難になり、効率が悪化するなど多くの問題が発生しています。

 「ビッグデータ、モバイル機器、クラウドを基盤とするサービスなどの新しいテクノロジーが導入され、データセンター統合は多くの企業にとって最優先事項になりました。しかし人材不足とともにセキュリティの懸念があり、クラウドサービスへの全面的な移行はスムーズに進んでいないことも事実です。」パンジャニ氏はこのように述べています。「IT責任者にとってIT基盤の変化は大変厄介なことです。しかし現在はデータが複合的なIT環境に保存されているため、従来のセキュリティ対策の方法から脱却し、現在のような動的なデータセンターやサービスプロバイダ環境に対応する新しい暗号化記述を採用する必要があります」

 クラウドの恩恵を最も受ける中堅企業
 中堅企業の場合、企業の成功という意味では財務上の利点があることは大きな違いがあります。個人所有の機器を社内に持ち込むことを許可する (BYOD) 方針や在宅勤務の実施など、社員がモバイルBIを使える環境を整備することでコスト削減に役立ち、多大なメリットが得られます。実際にIDCの最近の記事によると、英国の中堅企業の33パーセントはすでにデータ保存およびバックアップのためにクラウドを基盤とするITを導入していると推測しています。

 一方、データ漏えいが発生した場合、中堅企業では大企業ほど対策のための人員が十分でない企業もあるため、クラウドサービスを利用する場合は特にセキュリティ対策を重視することが重要です。クラウド管理システムは他の運用に比べて大幅にコスト効率が良いということを考えると、社内でIT専任チームを任命したり第3者機関のセキュリティサービスを利用してセキュリティ対策に対する投資を増やす中堅企業が多くなる可能性があります。