カリフォルニア州の干ばつ対策にビッグデータを活用
【Panorama Software BI Blog より】
カリフォルニア州にある多くの企業は、干ばつの期間に住民の安全を確保するためにビッグデータを利用しています。アナリティクスには想像以上に多くの利点があり、干ばつなどの深刻な問題への対応に適切な情報を提供できる可能性があることを証明しています。BIの活用範囲が広がることが期待されます。
アメリカ大洋大気庁によると、カリフォルニア州は1月20日以来、この100年間で最悪の干ばつに直面し非常事態にありました。州の住民は可能な限り節水を心がけるよう要請されていましたが、いくつかの地域は依然として飲料水の枯渇するリスクが非常に高い状態にありました。CBSニュースによると多くの地域が地下水の汚染という問題にも直面しており、州の節水という課題を悪化させていました。
ビッグデータを節水に役立てる
カリフォルニア州全域の複数の水道会社は顧客の水道使用に関する情報収集を行い、各世帯の水道使用料を測定しました。情報サイト「コンピュータワールド (Computer World) 」によると、その中の1社「イーストベイ水道 (East Bay Municipal Utility District) 」は、1年間にわたって1万世帯の顧客から情報を収集する試行プログラムを実施しました。参加した世帯には各世帯の水道使用量を公開する報告書が配布されます。記事によると平均使用料を越えて水道を使用する世帯には使用量を削減するように要請され、この取り組みは効果が出たとされています。
クラウド技術は進行する干ばつから現実に住民を救うことはできませんが、イーストベイなどの企業はBIおよびビッグデータを活用してカリフォルニア州の住民が干ばつの被害を乗り切るための支援を行いました。
記事によると「イマジンH2O (Imagine H2O) 」の最高執行責任者であるスコット・ブライアン氏は次のように述べています。「気象分析についてはまだ総合的なデータはそろっていませんが、それだけに成長の余地は大きいと思っています。」
現実の世界でのアプリケーションの出現
ビッグデータ活用は企業内の課題の解決にも役立てることができます。ベンチャービート (Venture Beat) によると、例えばIBMでは、鉱業会社から取得するデータ分析によって設備の使用可能期間の測定に役立つシステムを開発しました。収集するデータを活用すると想定外の設備不具合が発生した場合の問題が回避できる可能性があります。IBMによるとこのようなビッグデータ活用によって大手鉱業会社では多額の年間コスト削減が可能になりました。
ビッグデータにより多くの企業が情報とアナリティクスを活用して利益率の改善をはじめ成長や発展を支援するような変革を企業全体にもたらすことができるでしょう。現実世界での応用の発展はビッグデータとアナリティクスの有用性がますます拡大していくことを示しています。