データ分析で医療費削減
【Panorama Software BI Blog より】
データアナリティクスは患者の治療向上からコスト削減の支援など、医療機関の業務を大きく改革する可能性があり、高齢者人口の増加などにも対応しやすくなることが期待されています。予防的措置や個別の患者の治療評価など、患者の管理にビッグデータを活用することによって、医療機関の運営効率を改善できる可能性があり、コスト削減や業務効率改善などの効果も得られるでしょう。
患者数の変化に対応
アメリカでは今後、医療保険制度改革(オバマケア)を通じて新規の患者が保険適用を受けられるようになり、高齢者の人口増加に伴ってビッグデータがますます利用されるようになるでしょう。プライスウォーターハウスクーパーズ (PricewaterhouseCoopers) の最近の調査によると、医療保険制度改革によっておよそ3千万人に医療保険が適用される見込みです。これと同時に、65歳以上の人口が今後急激に増加すると予測されています。米国高齢者対策局の報告によると、65歳以上の人口は2009年には12.9パーセントでしたが2030年までに全体の19パーセントにまで増加する見込みです。このような高齢者人口の増加により、医療機関の提供できる医療サービスに負荷がかかります。このため治療改善の方法を見出すことが治療を必要とする患者数の削減にとって重要であり、この問題の解決にデータアナリティクスが役立つ可能性があります。
ビッグデータで可能になる患者の管理
多くの医療機関ではすでに電子カルテを導入しているため、患者に関する情報を蓄積することが容易になりました。情報サイト、「ブルームバーグ・ロー (Bloomberg Law) 」によると、分析ツールによって疾病の特定や予防に活用できるデータを推定することができるようになります。これによって、これらの疾病に対して医師が治療する必要のある患者数が少なくなり、その結果治療に必要な医療スタッフの人員が削減されます。つまり患者数が減少することは治療費全体の削減につながることになります。
データ分析で財務情報に役立つ洞察を得る
医療機関はコスト削減の方法を見出す前に、財務状況の全体像を把握しておく必要があります。「EHRインテリジェンス (EHR Intelligence) 」によると、ビッグデータ分析を行うことで「コスト」対「治療の質」を比較検討することが可能になり、治療の質にマイナスの影響を与えることなくコストを抑えて治療を提供する新しい戦略を策定することに活用できます。従って、EHR(Electric Health Record:生涯医療記録システム)は現在は医療関連情報および個人情報の整備に重点的に取り組んでいますが、EHRインテリジェンス誌では、データ分析ツールを使って医療機関の経営における財務的な要素を調査することを提案しています。