2014.05.23

小売業界のBI活用の秘訣
Panorama Software BI Blog より

 変化のスピードの速い小売業ビジネスでは、市場での競争優位性を維持するためには営業の状況を明確に把握しておくことが不可欠です。BIツールは在庫管理から最終的な売上成果を得るまで、さまざまな要素に対して有用な洞察を提供します。これによって成長を促進する業務の変革や戦略の改善などが容易になります。

 適切なデータを収集
 小売業向けの情報サイト「プラクティカルEコマース (Practical Ecommerce) 」に寄稿するジェリー・ジャオ氏によると、どの情報が有用であり、どの情報が結果的にあまり重要でないかを事前に見極めることが重要です。分析に使うデータセットを必要なデータだけに絞って分析することによって、営業に重要な影響を及ぼすデータを詳細に分析することができます。情報が多すぎるとアナリティクスの速度が遅くなり、データ保管システムのスペースを無駄に消費し、セキュリティ上のリスクを発生する場合があります。
 ジャオ氏は次のように述べています。「注意すべきことは、データ侵害に対する最善の防御策は、まず第1に不正入手されるようなデータを保持しないように注意することです。必要のないデータは収集しないことが重要です。」

 顧客行動の分析
 BIソリューションは小売業による顧客行動の把握を支援します。例えばある品目が1日のうちのどの時間帯で、あるいは季節のうちどの時期に売れているかを調査することによって特定の商品の販売促進を行う最適なタイミングを決定しやすくなります。「CSP デイリーニュース」によると、フロリダ州のあるユーザー会議での公開討論でコンビニエンスストア経営者による発表があり、ホットドックなどグリルで焼いた食品の売上が昼食後の時間帯に減少することがわかりました。この情報を使ってこの店では時間帯によってどのくらいの商品を店頭に置くかを決定し、無駄の削減とコスト削減を行っています。しかもこの手法は実質的にどの商品にも応用することができます。例えば衣料品店では暑い時期には水着を、冬場にコートやセーターの販売促進を行うことは当然です。しかしハンドバッグや帽子などの他のアイテムはいつ販売促進を行うべきか正確に特定するのは、若干難しい面もあるでしょう。そこでこのような情報が活用できます。

 外部データの活用も忘れずに
 営業状況の正確な理解と把握が重要であるのと同様に、企業は顧客基盤にも注意を払う必要があります。小売業は買い物客の調査から企業のソーシャルメディアチャネルとのやりとりの追跡までデータを収集し分析して、ターゲットとする顧客層の理解を深めることが可能になります。これによってどのマーケティングキャンペーンや売り方がもっとも効果的であったかを理解することができ、さらに顧客がどのような対応や変化を求めているかについて示唆を得ることもできます。顧客サービス部門による顧客の期待への対応が不十分な場合は、ソーシャルメディアのデータを分析すれば課題の焦点を絞りこみ、解決を支援するでしょう。