ビッグデータ活用による人事マネジメント
【Panorama Software BI Blog より】
ビッグデータは消費者の傾向を調査するために大変有効ですが、人事データの分析にも応用できます。新しい有能な人材の確保、即戦力となる労働力のニーズ及び期待の維持に関して、十分な情報に基づく意思決定を行うためにデータ分析の活用を検討する企業経営者が増えています。
有望な人材の確保
顧客の消費パターン分析からわかる同じような特徴が採用のプロセスでも役立つ場合があります。「USAトゥデイ (USA Today) 」の記事によると、投資会社「バテリー・ベンチャーズ (Battery Ventures) のパートナー、ロジャー・リー氏は、企業が求める人材ニーズを理解している管理職を採用することが非常に重要であると述べています。満足できる人材をいつ雇用できるかを判断するには、ソーシャルメディアを活用することが有効であると指摘しています。応募者がFacebook、Twitterなどのソーシャルメディアに費やす時間が増加している場合は採用を見送るほうがよいかもしれません。また面接を重ねる選考の過程でデータを収集し、採用目的に照らしてさらに詳しく調べることが重要です。
またビッグデータは、応募者の履歴書をざっと一瞥しただけで起こる先入観を払拭するためにも活用できます。雑誌「アントレプレナー (Entrepreneur) 」に寄稿するヘザー・ハフマン氏によると、一見まとまりがない多様な職務経歴を持つ応募者は最初は採用からはずれる可能性がありますが、この対応は誤った判断につながる可能性があると述べています。職歴内容に一貫性が少ないことは就業場所の慣習の問題を示唆している場合があります。データ分析によって、必ずしも応募者の態度や仕事ぶりに問題があるわけではなく、外部の経済的要因、個人の技能に対する需要が少ないことなどから長期的雇用が困難になっていたということがわかりました。
現在の社員スタッフを確保する
すでに予測分析アルゴリズムの活用を社員の確保に役立てる企業もでています。ブルームバーグ (Bloomberg) によると、このようなデータの活用を一定期間調査した結果、BIは時間の経過とともに企業と社員のデータについて学習し、そのデータに基づいた予測を行うことができると述べています。BIは企業の採用履歴、解雇、給与、昇進、異動などのデータに基づき、特定の地域での推定生活費などの経済的要素と組み合わせて、労働力の充足レベルを判断することができます。次にこのデータをもとにどの社員が退職する見込みであるかについても、非常に正確な予測を行うことが可能になります。
「ビジネスニュース・デイリー (Business News Daily) 」の編集者ニコル・ファロン氏は、営業の目標、企業方針を提示して自分の昇進を意識させることは社員の意識を高めると述べています。非管理職の一般社員も何が成功し、何が成功しないかについて経営者と協議する経験を通じて自分の職務以上のものを学び、企業を尊重する意識が得られるようになるでしょう。そのような人事・業績管理のシステムやソフトウエアを導入した際に、個人の目標と会社がその社員に期待することを社員と管理職の双方から効果的に参照でき、定期的なレビューを行えるように、システムとソフトウェアをどのように運用すればよいか社員全員に理解を促す必要があります。