「モバイルワールドコングレス (MWC) 2018」5つのポイント
【Panorama Software BI Blog より】
Panoramaは新事業であるNecto Telecomを出展する機会を得ました。世界各国のIT関連企業から10万人以上もの専門家がMWCに参加しました。現代社会にディジタルトランスフォーメーションをもたらすべく、ITと通信業界が具体的にどのように対応しているかが発表されました。具体的には、新しいアプリケーションや消費者向けツールから、進化したアナリティクス、スマートワールドが取り上げられて紹介されました。あらゆる業種が直面するディジタルトランスフォーメーションを実現するために、今後通信業がどのようにこれを促進する役割を担い、いかに効率よく関わっていくかが紹介されました。
MWC2018を終えて - 5つの重要事項
1. これまでのような自然な進化は、もうないだろう
通信業界ではこれまで、通信内容はかつての音声から文章へ、さらにはデータへと次第に変遷してきましたが、このような「自然な」進化はもう続く可能性はありません。今日、ネットワークの接続性は当たり前のこととなり、消費者は非常に短期間で次々とプロバイダを乗り換えています。さらにはOTT (Over The Top) 業者が通信業者の地位にとってかわって来ています。つまり通信業は、たんにネットワーク接続性を提供するだけでなく、企業としてみずからを変革しなければ収益は減少していくということです。通信業は、単なる通信の接続を可能にする事業者ではなく、世界のディジタルトランスフォーメーションを実現していく担い手として行動する必要があります。
2. これからはOTT事業者が市場を支配する
OTT事業者は、通信、TV、音楽、コンテンツ、IT、生産性など、日常生活のシーンのいたるところでサービスを提供しています。彼等は音楽配信、コンテンツ配信などを含む多様な分野で市場を陳腐化しています。Spotify, Whatsapp, Skype, YouTube, Netflixなどのサービスを御存じでしょう。通信事業者にとって生き残る為の解決策は、これらのOTT事業者と対抗することではありません。彼らはこれからも将来にわたって活動し続けるでしょう。解決策はむしろOTTアプリのデータを分析し、顧客満足度を向上させ、顧客にとってもっとも魅力的な商品やサービスを提案するための洞察を共有する方法を探すことです。
3. 5G通信技術が、我々が必要としている変革をもたらす
通信業は事業変革を行う必要があり、その変革を実現するもっとも可能性の高い技術は5Gです。MWCで我々が理解したのは、5Gの実現はもうすぐそこまで来ているということです。北米、アジアのネットワークプロバイダーは2018年後半あるいは2019年にも商品の発表を行う予定です。5GはIoTの推進とスマートワールドの実現の道筋をつけることが期待されています。次の2つの数字は興味深いものです。MWCを主催する携帯通信事業者の業界団体GSMAによると、5Gの完全実現のための投資額は、2018年から2021年までにおよそ5千億ドルに上ると見積もられています。また、2025年までに全世界での5G利用接続数は合計でおよそ12億になると予測されています。
4. スマートワールド革命は5千億ドルの商機
スマートホーム、スマートシティ、スマートビル(建物)、スマートヘルス、スマートインダストリー、これらはすべてスマートワールド革命の中で繰り広げられる新しい技術です。通信事業者は接続性を提供するだけにとどまるという選択もできますが、その場合は時間とともに収益は減少していくでしょう。そうではなく通信業界を改革して「スマートワールド革命」を主導するという選択肢を取ることも可能なのです。
通信事業者は、短期間では、オムニチャネル、クロスセル(関連商品を提案して顧客の売上げを増やす手法)、顧客維持などに企業努力を集中すべきです。成功するためには、それらの重要なプロセスの自動化と、それらのデータを分析することで得られる洞察が必要になるでしょう。中期的には通信事業者はデータアプリケーションを活用し、特定業界に向けてIoTサービスを提供してデータを販売する必要があります。
さらに長期的には、特定業界のディジタルトランスフォーメーションを促進する触媒としての役割を担い、B2Cを重視するモデルからB2B重視へと進化し、他の業界がディジタルトランスフォーメーションを実現する手助けを行う必要があります。
5. 洞察がディジタルトランスフォーメーションを促進する
通信事業者は自らを変革するため、適切なKPIを選択する必要があります。ディジタルトランスフォーメーションを推進する力を提供できるのは、顧客管理、社員リソース管理、投資戦略、サプライチェーン管理などを分析して洞察を得るアナリティクス(分析技術)なのです。通信事業者は洞察により利益をさらに押し上げる新しい業務プロセスを策定できるようになります。
MWC2018では業界のトレンドが自動化、スマートライフ、その他の革命的な諸技術に向かっていることが示され、これまでに開催されたMWCの中で最もエキサイティングで盛況でした。このディジタルトランスフォーメーションの実現には、正しいKPIと業務プロセスのデータ分析によって得られる洞察が必要です。そこでPanorama Softwareが開発したNecto Telecomの登場です。Panoramaは通信事業者やサービスプロバイダ企業によるOSS(サービスの運用支援システム)とBSS(ビジネスサポートシステム)から出力されるデータを、自動的に理解することを手助けし、ディジタルトランスフォーメーションへと至る道筋で前進することを支援する役割を果たすでしょう。今年のMWCに参加し、世界の通信業の専門家達に向けて通信業に特化したPanoramaの提案ができたことは我々にとって大変貴重な機会となりました。