医療業界向けビジネスインテリジェンスで行うデータモデリング
【Panorama Software Industry News より】
データモデリングは、正確さ、使いやすさの向上、レポート生成時間短縮をめざしてビジネスインテリジェンス・プラットフォーム上で使用されています。従来、医療業界ではデータモデリングの導入は困難でしたが、BeyeNETWORKの最新レポートによると、医療業界でもBIを使用したデータモデリングが可能になり、その効果が評価されています。
一般的に医療機関向けBIを使用したデータモデリングの取組みは、次の3パターンに分類できます。既存の資料を使って医療機関内で行う、データモデルを購入する、コンサルタントを雇用してプロセス導入を図る、の3パターンです。
医療機関向けBIでのデータモデリングが困難な理由は、その業界の性質上、データが非常に変動しやすいためです。執筆者のローラ・マドセン氏は、電子カルテの普及拡大を例にあげ、この傾向によって医療データそのものが劇的に変化していると述べています。
マドセン氏は次のように述べています。「データモデリングについては、ここ数年多くの失敗談とともに、一貫性のない多数の助言があったことから、医療関係者はデータモデリングが不可能だと思っているのです。」「昨年度も、医療機関でのデータモデリングについて2つの事例を聞きました。いずれも信頼のある業者の助言によるものですが、その方法は相反するものでした。」
筆者は、医療業界にとってのベストソリューションは、既存の内部資料を使って行うパターンであると推測しています。「業務を最も理解しているのは、院内で業務を行う職員だけです。」そのため、職員はビジネスインテリジェンスレポートから具体的にどんなものを得る必要があるのか、その目的のためにはどのようなデータが必要かを的確に把握することによって、メリットを得ることができます。
外部からのデータモデルの購入は、すでに導入している企業もあり、有望な手法ですが、多くの困難な点があることは事実です。この方法を採用する企業は、BIニーズに対応できる十分な社内資源がないと感じています。また、多くのベンダーは、一部の医療機関から入手した情報をもとにデータモデルを構築しています。さらに、筆者が警告することは、企業によってさまざまな医療保険があり、医療機関は使用するデータモデルが各企業に適用可能かどうかを慎重に見極める必要があるということです。
また、コンサルタントを利用する企業もありますが、マドセン氏によると、この手法は比較的まれなケースです。データモデリング設定作業を外部の人間にまかせると、コストがかかり、管理職がなかなか納得しないためです。
電子カルテの普及により、BIを活用する医師や医療機関が増えているという専門家の意見もあります。電子カルテ分析システムにより疾病と治療法の傾向を把握することができ、これによって患者の治療が大幅に改善することが予想されます。
ソース:
BeyeNETWORK