2012.01.26

ガートナー予測:BIとクラウドは最強のペア
【Panorama Software Industry News より】

 手頃なコストでより柔軟性に富むプラットフォームサービスの共有化を目指して、自社運用のレガシーシステムの使用をやめる企業が増えています。企業ITの救世主とも言われるクラウドコンピューティングについて、ガートナーの調査報告をご紹介します。

 共有できるサービスはいま企業のBIプラットフォーム導入に最も影響を与えているトレンドです。実際にガートナー社が最近発表した調査結果によると、SaaSビジネスインテリジェンスを現在使用している、または今後1年以内に導入する計画があると回答した企業は、全体の33パーセントです。

 「自社運用のBIの場合、導入サイクル、コスト、複雑なアップグレードやITインフラが必要なことにユーザーが不満を持つケースがよくありますが、SaaSやクラウド基盤のBIは自社運用よりもスピーディに導入でき、コスト低減や導入の選択肢が容易である可能性があると認識されています。ですが、これらのメリットはまだ証明されていません。」ガートナー社の調査担当部長、ジェームズ・リチャードソン氏はこのように述べています。

 多くの理由からクラウドベースのビジネスインテリジェンスを導入する企業が増加していますが、ガートナーは最も重要な理由について次のように解説しています。

 1. スピーディに価値を生み出す

 経済の見通しは明るさを見せていますが、多くの企業は厳しい予算での対応を続け、まだ完全に危機を脱していません。ガートナーによるとSaaS BI活用によって回復スピードが早まると確信する企業が多くなっています。

 その理由は、ホスティングソリューションの方がスピーディに導入でき、容易に展開できるためです。ソリューションの稼働までの時間が短縮されれば、よりスピーディにデータ活用ができ、的確な経営判断につながります。

 2. コスト削減メリット

 企業がクラウドに注目する理由のトップは総所有コストおよび展開コストの削減メリットと言われていますが、実際に導入した企業によると、BIにも同じことが言えます。

 ガートナーによると、ソリューションへの支出の方法によってコストに大きな差が出ると言います。SaaSについては自社運用のソリューションのように資産化するというよりも、貸借対照表上で経費として処理できる点がメリットです。さらにSaaS導入当初の5年間は企業支出が削減できることがわかっています。

 3. 専門知識の不足を補う

 SaaS BIは特に分析能力の人的資源が不足している企業にメリットがあるでしょう。ガートナーによると、SaaSは企業内の新しい機会活用につながります。企業全体のプラットフォームが分断し、価値を生み出す時間を取られ、投資収益率の減少を招く、といった恐れはあまりないと言えるでしょう。

 昨年BIネットワークから発表された一連のリポートも、クラウド基盤のBIソリューションに注目が集まっていることを特集しています。クラウドの導入によってデータセキュリティについての懸念が解決するはずであると述べています。