ソーシャルメディアを活用する医療業界のBI最新事情
【Panorama Software Industry News より】
自分の情報を医師には公開しない患者が、インターネット上のソーシャルメディアに公開しているという場合があります。これは現代の医療業界が直面している課題のひとつですが、ソーシャルビジネスインテリジェンスが有効活用できる分野でもあります。インターネットに拡散するデータは必ずしも全てが正しい情報とは限りませんが、非常に有効な場合があることも事実です。ウォールストリートジャーナルの最近の記事によると、有用なデータを模索する医療機関はソーシャルメディアの公開された情報の世界を利用し始めています。
記事によると、病状についての間違った報告は効果的な情報源となることがあります。患者が病状について誤った情報を共有している場合、これは治療の向上のために対処しなければならない誤解であり、問題領域の一覧を医療機関側に提供していると言えます。ソーシャルメディア上のさまざまな未処理のデータを分析して共有できる考えを見出すことは、ビッグデータ分析プログラムの新しい役割です。
BI専門家、マイケル・ベネット氏は次のように述べています。「医療機関側に大衆の声を利用する意思があれば、有用なデータとして活用できます。21,000人の人が薬に問題があると言う場合は、対応しなければならない問題があるはずです。」
医療機関ではソーシャルメディアを使う試験的プログラムが現在行われています。これは医療問題に関するマスコミのレポートに基づいて、ネット上のやりとりがどのように展開していくか、また乳がん患者がソーシャルメディアで副作用について述べている内容などを観察するものです。医療に関する公開された会話は継続的に変化します。医療機関はネット上のソーシャルな情報を無視できないということであり、むしろ機会としてとらえることが必要です。
ビッグデータ問題は、従来は使用できなかったデータ源を発掘することと大きくかかわっています。ソーシャルメディアでの情報のやり取りは顧客センティメントを計る大変重要な指標ですが、望ましいレベルまで情報処理できるシステムの開発が必要です。IT部門がBIプロセスを使ってビッグデータをうまく活用できれば、競合他社よりも効率の面で非常に有利になるでしょう。
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートは、ビッグデータ活用によって革新を続ける米国の医療機関の取り組みについて詳細に調査しました。データの役割として治療効率とコスト効率の改善、および複雑な行政システムへの対応を挙げる回答が目立ちました。全米の医療費が年間5パーセントも増加し高齢化が進むなか、効率改善の必要性があるという回答が特に多いことがわかりました。