これからのビジネスインテリジェンスはスピードがカギ
【Panorama Software Industry News より】
分析ツールは多くの業界で広く採用されています。これからのビジネスインテリジェンスは、的確な意思決定のためのデータ分析をいかにスピーディに実現できるかがカギを握っているようです。テックターゲットの記事によると、BI業界はユーザー企業のニーズに応え、競合他社よりもスピーディな分析を提供できる技術を開発する方向へ動いています。
モバイルBIの活用
記事によると、モバイルBIは分析ツールをスピーディかつ機敏に活用するための重要な要因です。企業ユーザーはアップルのiPad、iPhone、さらに最近増えているタブレットなど一般消費者向けのツールでデータにアクセスしています。このような効果的な機器によって、いつどこにいても情報を入手できることから、移動中に分析ツールを活用したいというユーザーの需要をさらに高めています。
モバイル機器によって情報へのリアルタイムなアクセスが可能になり、効果的な意思決定に必要な情報をタイムリーに入手できます。
企業はデータ保管のインフラ全体を最適化し、よりスピーディにデータにアクセスできるようにする必要があります。ただし、企業の全てのデータがリアルタイム分析に必要であるとは限りません。どのデータが即座に必要かを特定することができれば、非常に有利になります。営業の現場でモバイルBIシステムが取り込むデータは、必ずしもその企業のデータ全てでなくてもよいということです。そうするとむしろ全体のインフラの効率がかなり悪くなってしまいます。データ分析の専門スタッフは、モバイルを利用するユーザーの情報と従来のデータ分析から得られる事実を切り離し、それぞれのデータを適切に処理することが重要です。
最先端のトレンド
複数のニュースソースからBIに関する調査を集計し、2012年度の最も有力な傾向を判断する試みが行われています。BI専門家コンラッド・ベイツ氏と「CIOマガジン」に寄稿するキャメロン・ウォール氏は、モバイルBIなど柔軟かつスピーディに対応できる機能が広く導入されると指摘しています。記事ではフォレスターのBI専門家であるボリス・エベルソン氏の調査を引用し、モバイルBIは2012年の主流になると予測しています。ベイツ氏、ウォール氏もモバイル機器市場の成熟によって、多くの企業のBI導入計画にモバイル機器使用の選択肢が定着したと分析しています。社員、管理職ともに、企業のデータに常時アクセスできる状態にあり、情報に基づく意思決定をスピーディに行うことが可能になっています。
ベイツ氏、ウォール氏は2012年のアナリティクス業界の方向性として、柔軟に対応できる分析ツールの開発が増加すると予測しています。新しいプロジェクトの策定には、従来のように最初から全ての詳細を計画せず、経過をみながら新しい課題に柔軟に対応していくビジネスインテリジェンスモデルが効果的な手法と考えられています。どの企業もデータ活用が可能になっているいま、競合他社に勝つためには、もっともスピーディに意思決定ができるかどうかが決定的に重要な意味を持っています。