2012.04.27

BI活用による投資収益率の向上
【Panorama Software Industry News より】

 調査会社「ニュークレアス・リサーチ」のニュース記事によると、ビジネスインテリジェンスは導入の各段階で収益の増加に貢献します。さらに時間の経過とともに、有効な機能が追加されるとその効果が増大することがわかりました。BIシステムの運用が十分に浸透しビッグデータの処理が可能になるまでに、投資収益率が1,206パーセントに増大する事例もあります。ビジネスインテリジェンスの今後の展望は非常に有望であると言えるでしょう。

 投資収益率の増大
 ニュークレアスのアナリスト、パーク氏は次のように述べています。「アナリティクスの投資収益率の増加に伴い、初期投資額が少ない場合でもアナリティクスを活用して継続的な業務改善と意思決定の改善を推進し、利益を得る企業が増えています。企業は今後の投資を行う対象としてアナリティクスを最優先に考慮するべきです。」

 調査によるとBIを導入している企業は初期段階での投資でも188パーセントもの投資対収益率を上げることができるという事例を紹介しています。またBI導入の付随的なメリットとしては、社員が主体的に問題解決を図り、業務ニーズに適する新しい課題を発見することなどが報告されています。

 段階的な効果
 調査によると、分析ツールは4つの段階を経て企業内に定着します。まず企業はデータ収集とレポート作成システムの自動化に注力します。この段階では新規に雇用を増やすことなく生産性を飛躍的に増加することができます。次に戦術的段階では、分析ツールが企業文化と一体化します。企業では複数のアナリティクス導入プロジェクトを進め、経営判断の質の向上を目指して取り組みを行っています。

 次に実践段階では、戦術的段階で学んだ教訓を活かして企業全体としての目標達成を目指します。この段階での平均的な投資収益率は948パーセントであり、システムへの投資額のおよそ10倍にも達します。最終段階ではビッグデータや代替情報源を活用して企業の方向性を正確に予測します。

 導入開始はシンプルに
 アナリティクスのメリットを得るには複雑な戦略の実施が必要と考える企業があるかもしれませんが、「フォーブス」に寄稿する専門家ジェイン氏によると、実際に企業にとって最適なアナリティクスとは非常にシンプルなものである場合が多いということです。さまざまなデータ分析方法を組み合わせたソリューションも評価されましたが、最終的にはシンプル、機能的かつ効率のよいツールが選ばれています。