2012.05.01

医療機関で高まるBI の需要
【Panorama Software Industry News より】

 医療機関でビジネスインテリジェンスが注目を集めています。医療分野のIT調査を手掛けるKLASが最近発表した調査によると、医療機関のアナリティクス活用意欲は高く、今後さらに効果的に活用したいという需要が大きくなっています。医療機関では他の業界とは異なり、業務のあらゆる要素を転換しようとする取り組みの一部として新しいBIプログラムの追加を考えています。

 業務のあらゆる要素を転換
 医療機関は他の業界にない問題点を抱えています。医療機関では財務データを分析し、記録を整理するためにBIを活用していますが、臨床治療の分野でもBIを有効に活用したいという需要が高いことがわかりました。医療機関ではこの目標を達成するために一度に複数のBI導入・配置を検討しています。

 病院や診療所では、業界の厳しい規制に対応し、常に全てのシステムが確実に規制を順守するように管理する必要があり、コンプライアンス対応にもBIの果たす役割は大きいと言えます。KLASの調査では、医療機関におけるBIは発生しうる規制順守の問題を監視する機能が必要になると予測しています。これは極めて重要な要素です。

 KLASが調査を行ったある医療機関の最高情報責任者のコメントです。「今後数年以内にデータ分析ツールが使えない医療機関は、大変困った状況に陥るでしょう。今後はデータこそ非常に有用な価値を持ちます。」

 高度な機能
 今後医療機関で使われるビジネスインテリジェンスには、予測分析などの高度なビッグデータ分析機能が期待されます。将来発生しうる問題の予測は、治療の向上や規制順守への対応のために極めて重要です。規制要件は常に変化しており機敏な対応が必要です。今後の有効性が保証されている高度な機能を搭載したBIソリューションを完備することは病院にとって非常に重要な戦略的判断であると言えます。

 臨床での応用
 病院で稼働するBIモデリングのテストケースが現在進行中です。テキサス州ダラスにあるパークランドヘルスシステム (Parkland Health System) では、予防可能な再入院のリスクを予測して警告を出すシステムの活用を求めています。この病院の最高財務責任者はこの予測システムを評価しており、金融機関が将来の業績予測を目的としてモデルを設計した手法を採用していると述べています。このプログラムは電子カルテシステムの効果的な使用法のひとつとして複数の専門家に高く評価されています。