BIをもっと使いやすくする企業の部門間共同作業
【Panorama Software Industry News より】
「ハーバードビジネスレビュー」 (Harvard Business Review) の寄稿者であり、コンサルタントのジル・ディッシュ氏は、従来のビジネスインテリジェンス活用による問題点を指摘しています。情報を使用する部門によって、同じレポートが複数のバージョンで作成されて存在する場合があります。
部門間のコミュニケーション不足、あるいは部門間で必要とするデータが全く異なる企業では、同じ期間を対象とした同じレポートの内容が大きく食い違う場合があります。明確なデータがなければ後で混乱を招く恐れがあり、このような事態は企業にとって多大なリスクとなります。複数の部門で同じ数値のデータが共有できない場合は、データに基づいて意思決定を行うことが困難になります。つまりこれからのビジネスインテリジェンスには共同作業の機能が必要になるということです。
ソーシャルBI活用で混乱を解消
ソーシャルBI機能を使うことによって多くのユーザーが分析レポートの作成ができるようになります。他のユーザーとの共同作業でBIの性能が向上し、同種のレポートが複数生成されるという混乱を回避するために有効です。単一のプラットフォームで多数のユーザーのニーズに対応するレポートを共同作業で利用できるようになると、経費削減や意思決定の改善が可能になります。
より少数のユーザーが作成する少数のレポートを活用する人数が企業内で多くなれば、企業に多くの付加価値をもたらすことができます。作成過程で社員がお互いに疑問を問いかけ、解決することができることから、コミュニケーションと明確化を促進するツールになります。現在ソーシャルBIが発揮できる明確化のスピードはeメールよりもはるかに速いとディッシュ氏は述べています。外出中にもモバイル機器などから最新版のレポートや最新の更新情報を見ることができるためです。
ユーザーがそれぞれ一つの文書に基づいて作業するとパターンを確立することも容易にできます。従来はユーザー自身がそれぞれのデータを入手しなければなりませんでした。現在では部門間でデータの食い違いが大きく、その方法ではリスクを伴います。複数のユーザーが利用できる文書があれば、正確なデータを共有できます。
成長を続けるBI市場
ビジネスインテリジェンスソフトウェアはあらゆる業界の成長ニーズに応えてめざましく進化し、その役割は極めて重要になっています。ガートナーの調査結果を紹介する「エンタープライズアプストゥデイ」の記事によると、経営者はBI活用において他社に後れをとらないよう、今後も資金と労力を投資する傾向が明らかになりました。一方BIユーザーの年齢が低下していることに伴い、高度な機能が今後も続々と開発されるでしょう。現在の大学卒業者は密度の高い統合されたデータの扱いに慣れていますが、BIの機能もこのようなユーザーの力に合わせて進化する必要があります。