多くの業界が認めるアナリティクスの活用メリット
【Panorama Software Industry News より】

　保有するデータを最大限に活用して意思決定に役立てるために、多くの企業が分析ツールの調査や導入を開始しています。データは銀行口座の取引履歴から、原油パイプラインの流量まで多岐にわたります。分析ツールを活用する企業に共通する目的は、保有するデータをスピード、信頼性、効率を重視して、競合他社に対する優位性に転換することです。

　石油会社の洞察取得
　ビジネスインテリジェンスは、今後、多種多様な情報源から取得する非構造化データを扱う必要があります。石油会社にも多くのデータソースがあり、多様なデータにアクセスしています。「MITテクノロジー・レビュー」によると、原油採掘業界は非構造化データから得られる洞察を活用して多くの分野で利益を得ることができるとレポートしています。

　記事によると、シェブロンでは効率改善を目的として8か所の拠点にBIを導入し、多くの事業分野から洞察を取得しようとしています。設備の問題箇所を検知し、生産性の低下を回避することができました。世界中の拠点から広く収集した産出量データに基づいて共同掘削作業のための意思決定が可能になりました。今後は設備に設けた監視技術を改善しながら、このプロセスを効果的に機能させる見込みです。

　シェブロンの社長は次のように述べています。「ビジネスインテリジェンスは大きな変革をもたらしました。BI活用により各施設の産出量増加が期待できます。」

　大型投資
　ビッグデータ分析ツールやビジネスインテリジェンスは金融業界でも不可欠なツールになってきています。「ABAバンキングジャーナル」ではIT専門家のアラン・フィッシュ氏とのインタビューを掲載しました。ビッグデータ活用と業務の自動化推進をテーマに著作を発表しているフィッシュ氏によると金融機関では大量のデータに対応するための適切なモデルが必要であり、このプロセスは従来に比べて複雑ですが、広範囲にわたる情報の分析によって価値ある洞察が取得できる可能性があると分析しています。

　金融業界のビッグデータ問題について「バンク・インフォセキュリティ」が別の側面から調査した記事を掲載しています。不正行為の防止に対しては一般的に異常な口座取引の監視を行いますが、ビッグデータ活用による別の手段もあります。高度な分析ツールを導入している銀行は、口座取引のチェックから一歩進んで、顧客の行動モデルを作成し、不正行為防止のための新たな問題点の把握に役立てることができます。このレポートを信用調査会社が作成する洞察と照合するといっそう効果的です。