医療機関でビジネスインテリジェンス需要が拡大
【Panorama Software Industry News より】
ビジネスインテリジェンスは企業の収益改善という当初の機能をはるかに超えて、今後は多様な分野への応用が期待されます。医療機関向けニュースサイト「ヘルスケア・ファイナンス・ニュース」は、医療業界はBIソフトウェアの普及が期待される重要な分野であるとリポートしています。医療機関では経営管理に加えて、手術をはじめとする臨床技術向上の課題など、業務内容が複雑で多岐にわたるため、今後非構造化データの有効活用という需要が高くなり有望な市場であると言えます。
高度な機能
記事によると、ビジネスインテリジェンスは財務レポートから患者の治療成果まで、医療機関のあらゆる分野で改善効果が期待できます。なかでも保険請求処理業務は医療機関がBIを活用できる分野のひとつです。医療業界に詳しいテイラー・ムアヘッド氏は、BI活用によって保険請求の可否の理由を詳しく調査し、そのパターンを把握することができると述べています。これによって患者の支払条件の設定、医療保険契約の改善につなげることができます。
さらに医療機関でのBI活用は、部門単位でなく組織全体で行うべきであると専門家は述べています。ソーシャルBI等の高度な機能の展開によって、一般権限のユーザーも分析されたデータにアクセスでき、経営効率改善を目指す医療機関を支援することができます。BIは臨床の業務フローや業務プロセスの評価に大変役立ちます。
BI専門家デーブ・ダイエル氏は医療専門誌「ヘルスケア・ファイナンス・レビュー」のインタビューで、取得できる新しいデータについて分析を実行することは、ビジネスインテリジェンスを使用する医療機関の質の高さを証明することにつながると述べています。40日以前のデータを「業務履歴データ」と表現し、最新の品質の高いデータこそ価値があり、有用であると解説しています。
需要の増大
KLASの調査によると、医療機関でのビジネスインテリジェンスソフトウェアの新規導入は今後も増加する見込みです。BIを導入している医療機関の17パーセントは現在2種類以上のBIを使用しており、複数の種類のBIを使用する医療機関が増える見通しです。今回調査した病院の半数が今後3年以内に新しいBI展開を追加したいと回答しています。
新しいシステムを追加導入することによって多様な活用方法が生まれます。予測分析ツールは患者の治療成果改善を明確に予測し、提示します。今後の医療機関でのBI活用モデルとして、患者に関する膨大な非構造化データを活用した予後のリスクの正確な把握、患者の再入院予防への対応が期待されています。