BIは企業全体で活用される時代へ
【Panorama Software Industry News より】
IT部門や財務などはビジネスインテリジェンス展開の中心的部署と考えられる場合もありますが、特定の部署だけではなく企業全体でBIを活用する傾向が高まっています。テックターゲットの最近の記事によると、企業内には他にもBI導入によって多くのメリットを得る部署があります。BIの適切な活用は部門によって異なります。BIをもっとも有利に活用することができる担当部門のユーザーを事前に考慮し、そのユーザーを対象として入念に展開の準備を行うことが重要です。
新しい展開モデル
記事によるとデロイト社のコンサルタント、ハワード・マクミン氏は、柔軟な対応ができない組織ではビジネスインテリジェンス展開が困難になると述べています。データ主導型のモデルに移行する準備が整っている部門をまず把握することが重要です。
マクミン氏は次のように助言しています。「BI導入はもっとも抵抗が少ない部署から始めることが重要であると確信しています。業界によっても違いますが、マーケティングや財務部門、IT、人事などは抵抗なく受け入れる可能性があります。しかし機能を高めるための予算を持つ部署はどこかを見極め、その部門から導入をスタートし、残りの部署には段階的に浸透させる方法もあります。」
マクミン氏は、高度なアナリティクスが稼働し始めると、分析を担当する独立した部署は不要になると述べています。高度な機能を運用するためにデータサイエンティストを確保する場合もありますが、単純なBI機能を実行する知識や分析ツールを理解する能力は、次第に企業全体に浸透していくはずです。
アクセンチュア社のステイシー・ブランチャー氏は、高度な技術主導型のBIプロジェクトは必ずしもうまくいかないと述べています。IT部門は従来BI運用を主に担当した部門のひとつですが、こうしたプロジェクトは当初の予想に比べると物足りない結果に終わる場合があるでしょう。
CIOの変革
「IDGニュースサービス」の記事によると、BIが成熟するにつれて一般的なIT部門の役割も変化していくかもしれません。ビッグデータ分析機能の出現により、最高情報責任者は他の部門と直接連携して分析プロセスのスピードを確保することもできます。
記事によると、リアルタイムデータを使う高度な分析ツールはスピードが重要です。例えばデータをマーケティング部門に役立つ洞察に変換する場合、そのスピードによって大幅に成果を改善することができます。CIOは財務部門が実行する履歴データ分析の結果を待つだけでなく、マーケティング部門の同僚と緊密に連携することが重要になります。