ビジネスインテリジェンス分析ツールの実力とは
【Panorama Software Industry News より】
企業収益の改善に貢献してきたビジネスインテリジェンスですが、今後は医療機関で患者の救命にも活躍することが期待されます。「テックワールド」によると、高度なビッグデータ分析をはじめとするBIが医療機関の業績と患者治療成果の改善に効果があることを証明するコンテストに、多数のチームが参加しました。ビッグデータは多くの分野で有用性があります。幅広く収集した情報を、意思決定者に役立つ効果的な洞察に転換し、それぞれの業界の目標に合わせた活用が可能です。
医療機関での活用可能性
分析ツールによる患者情報の運用をテーマにして医療機関のITを変革する競争が行われています。テックワールドによると、医療業界のIT技術を競う「2.0ボストンコード」では、新しいアプリケーションを1日で作成してビッグデータ分析ツールの用途を提案するという課題を参加チームに与えます。今回の優勝チームは、睡眠不足と事故の増加リスクの関連性について説明するウェブサイトを立ち上げました。このサイトは医療システムのデータを活用し、サイトの利用者に睡眠不足による危険性を警告するものです。
このサイトの制作者のひとりジョエル・サザランド氏は、ビッグデータによって症状と治療成果の関係を証明することができ、医療機関ではこの取り組みは大変重要であると強調しています。睡眠時無呼吸症候群と突然死を関係づけるデータがあれば、睡眠時無呼吸症候群の患者は救命の観点から集中的治療に相当する病状であると医療責任者、専門医を説得することができます。
幅広い用途に注目
将来のビッグデータ応用のひとつが医療業界ですが、他にも多くの用途が考えられます。V3によるとロンドンオリンピックの事務局は、モバイル機器からの追跡信号を分析してオリンピック開催期間中の公共交通サービスを管理する予定です。リアルタイムで位置情報を把握し、これを情報源として必要な場所での公共輸送を正確に予測し、提供することを目指します。ロンドン市交通局局長マーク・エバー氏はすでに聖パトリックデーに行った試験データを入手していると述べています。
ビジネスの現場では、さまざまな分野でビッグデータの実用的な利用法が検討されています。「ハーバードビジネスレビュー」によると、起業家はビジネスモデル実現のためにビッグデータを活用しています。ワイン業界の起業家ケビン・ベルソフスキ氏は、ワインの味覚分析データに基づいて顧客の嗜好に適合する推奨ワイン情報を提供するビジネスを考えています。
創造的なIT部門の管理職はビッグデータの新しい用途を模索しています。課題さえあれば、高度な分析ツールはその解決のカギを握るシステムとして十分期待できるでしょう。