ビジネスインテリジェンスの新たな役割とは
【Panorama Software Industry News より】
ビジネスインテリジェンスは大量の演算処理という従来の役割を超えて、ますます機能を拡張することが期待されています。企業ではさまざまな部署でBIプロセスを採用し、BIの効果は多様な業務に適用できるという認識が拡大しています。分析システムは次世代のデータサイエンティストに活用され、収益予測、医療分野での救命など多様な分野に貢献しています。
新しい機能
「コンピュータワールド」は最近の記事で興味深いビジネスインテリジェンス活用方法を特集し、一例として米国アトランタ州の小児専門病院をとりあげています。患者を担当する医師が効果的な治療を支援する分析プログラムを開発し、あるプロジェクトでは、さまざまな疾病やけがの発現可能性が高い時間帯を予測することができるダッシュボードの開発に成功しました。記事ではIT以外の部門で設計されたBIプロジェクトが相当な成果を上げている事例として、この小児病院を特集しました。今後はセルフサービスBIプロジェクトがさらに充実すると予測しています。
また別の事例として、米国オハイオ州の公立校をとり上げています。ある非営利組織は予測分析ツールの導入を開始し、生徒のリスクの兆候を監視しています。学業成績から作成した複合的なデータをもとに、生徒が成績の伸び悩みなどの問題を抱える可能性をBIによって表示し、予防的な措置を効果的に準備するという取組みが行われています。
さらにスウェーデンのスケーン市では、警察署がビジネスインテリジェンスを使って複数の殺人事件の容疑者の居場所を特定しています。BI活用により、数か月を要した演算作業がわずか数分に短縮されたと警察署の職員は述べています。
新しい技能が必要に
ビッグデータ分析ツールでは特殊な技能が必要になります。テックターゲットは保険業界のBI責任者ジェニファー・ゴレク氏とのインタビューを掲載し、データを変換して洞察を取得するために必要な特有の技能について紹介しています。ゴレク氏によるとプログラミングの知識、膨大なデータの分析能力に加えて、わかりやすく正確に伝えることができる能力が役立つと述べています。アナリストは今後膨大なデータセットを処理し、その分析結果を業務ユーザーにわかりやすく伝える能力が必要になります。
ゴレク氏は次のように述べています。「アナリストは分析結果をユーザーに説明しなければなりません。つまり洞察をデータから入手し、業務に役立つように解釈し、伝えなければなりません。これができなければ、優れたアプリケーションを手にしていながら十分に活用できないことになります。」
最新の分析ツールは従来のBIの限界を越えて、優れた機能を発揮することができます。データ分析の進化とともに今後も多くの課題が解決される見込みです。