ビジネスインテリジェンスの可能性を示す小売業界の活用事例
【Panorama Software Industry News より】
アナリティクスは多くの業界で活用され、技術が普及拡大しています。企業がすでに豊富に保有しているデータ資源、すなわち情報の積極的な活用によって企業独自の価値を高めることができます。
小売業界でも特有のファッション販売業
ファッション販売業界はアナリティクス活用の成功事例が多いことで知られています。小売業界の他の分野ではアナリティクスに目を向け始めたのはつい最近のことですが、ファッション販売業界ではここ数年にわたって戦略構築のための顧客需要データの活用が重要視されてきました。ウォールストリートジャーナルは最近の記事で紳士アパレル販売の「カジュアルメイル (Casual Male) 」の発展をとりあげています。同社はLサイズおよびトールサイズ専門店であり、最近Lサイズ向け商品を拡充する他の大手販売店と競合し、Lサイズ市場での自社の位置づけを確保するためにBIツールを採用しました。
記事によると、同社では、それぞれの店舗で顧客の目を引く適切な品揃えを確実に提供しようと考え、商圏全体におけるさまざまなデザイン品目の売上一覧を作成しています。経営陣はアナリティクス分析の結果を信頼して在庫過剰あるいは品切れの品目を把握し、文化の違いや人口の規模によって分類するそれぞれの商圏でどのようなデザインの組合せがもっとも大きな影響を与えるかを判断しています。
経営の意見を統一
アパレル業界の情報サイト「ファイバー2ファッション」では、BIを活用して成功している企業として婦人服販売の「ジャックベール (Jacques Vert) 」を特集しています。同社はレガシーシステムの入れ替えで業務効率が大幅に改善しました。稼働している他の業務システムと並行して運用できるビジネスインテリジェンスが特に必要であると述べています。
ジャックベールでは1999年に総合パッケージシステムを導入しましたが、当時のシステムは接続性や効率などの点でまだ現在のようなレベルを実現していませんでした。データ交換に問題があり、IT部門からは非効率なシステムとして多くの不満がでていました。ジャックベールの営業部長ジョン・ボービル氏は次のように述べています。「ファッションは目まぐるしく変化しその方向性は予測できません。各種のメディアやネットから常に最新の情報を得ている消費者の要求に対応するには、すぐに供給できる在庫を確保する必要があります。」
進化したビジネスインテリジェンスシステムはビッグデータを取り込み、情報をほぼ瞬間的に洞察に変換する機能があります。記事によると同社はレガシーシステムを入れ替える判断によって、在庫数の最新情報を常に把握できるようになりました。