高度化するアナリティクスの適切な導入プロジェクトとは
【Panorama Software Industry News より】
分析ツールの追加導入は複数の手順を要する複雑な作業です。テックターゲットは、企業のIT責任者の国際的な会合である「情報管理協会 (SIM) 」に参加したCIOなど専門家の意見をまとめて発表しました。ユーザーが分析ツールの使用に慣れてきたことと、データのクレンジングなど整備が進み新しい機能を獲得しつつあることが背景となって現在アナリティクスプロジェクトに起きている変化、すなわち導入し、活用する部署がITから他の部署へ変化していることがとりあげられました。
プロセスの進展
テックターゲットはBI導入プロセスの特性と、企業が直面する課題についてSIMの参加者からさまざまな意見を得ました。BIコンサルタント、ポール・バース氏によると、IT部門は導入プロセスにおける有力なインキュベータであると表現されています。つまり企業風土やインフラをふまえ、BIが適切になじむように展開することが重要です。エンドユーザーが展開プロセスの手順を経て理解を深めることができれば、その後アナリティクスは営業部や財務に定着していきます。
投資収益の悪化を懸念して、BIを十分に使いこなさないまま早々に放棄する企業もあります。しかし投資収益の悪化はBIの特性とは無関係です。プロジェクトの当初2年間は、企業が分析ツール導入以前の時代から引き継いだデータのクレンジングおよび機能の追加等に費やされることが多いと言われています。
投資収益の増加
初期のBIを放棄せずに忍耐強く使用を続け、複合的なメリットを実現することも可能です。SIMの別のパネリストはあるIT企業のアナリティクス部門の事例を紹介しています。当初この企業では基本的なレポーティング機能を使用していましたが、現在はビッグデータを使った予測分析を活用して29種類の洞察を業務ユーザーに提供することができます。
市場の現状
ビジネスインテリジェンスソフトウェアは企業のBI展開の高度化とともに進歩を続けています。マイクロスコープ (MicroScope) はBI市場の調査結果を発表し、特に高度化したアナリティクスシステムへの需要が高いことが明らかになりました。モバイル機器の普及、システムの効率と柔軟性、クラウドは企業にとって特に重要な要素です。このような最新のITのトレンドが包括的にBI業界にも波及し、企業が分析ツール展開を意欲的に検討することにつながっています。
今後のBIの方向性については、リスクが低く高い収益が見込まれるという点でクラウド上で使うBI、あるいはソフトウェアアズアサービス (SaaS) アプリケーションが重要な要素であると言われています。