ビジネスインテリジェンスで分析するデータは、価値ある企業資産
【Panorama Software Industry News より】
ワシントンポストは最近の記事で、ビッグデータ分析の新しい可能性について詳しくリポートしています。今後のビジネスインテリジェンスは従来のものに比べてさらに使い勝手がよくなり、従来は役に立たなかったような蓄積したデータを変換し、企業価値として高めることができるようになります。このような情報の蓄積は企業の保管資料やネット上のソーシャルメディアなどいたるところにあり、そのデータの共通点とは、拡大を続けていることと収益増加に貢献できることです。
データの定義の変化
記事によると「世界経済フォーラム」で「データ」の定義が変更され、原油など価値の指標と同様に経済的資産のひとつとして認識されました。記事ではさまざまな業界でビッグデータが活用される例をとり上げ、その多くは、ネット上の情報源から収集するセンティメントデータを有効な洞察に転換して利用する機能に関する内容です。
投資家は株の売買の判断基準として全体的な市場センティメントを分析していることがわかりました。さらに政治キャンペーンではツイッターの動向を入念に観察していることが明らかになりました。キャンペーンの担当者はさまざまな意見交換がされている状態のツイッターから収集した情報を投票のように活用し、キャンペーンに投入する資源がもっとも必要とされるのはどの地域かを判断する材料にしています。米国の「疾病対策センター」もビッグデータを活用している政府機関です。ウェブ検索エンジンから情報を集計して疾病の動向を把握し、感染症などの流行の予防対策を策定します。医療機関が作成する事後のレポートの補完としてリアルタイムで入手するオンラインデータを重点的に活用しています。
「これはビジネスの大きな変革です。」ハーバード大学教授データアナリストのギャリー・キング氏はこのように述べています。「従来できなかった方法で社会の変化をリアルタイムで追跡し、意思決定を行うことができます。」
価値の変化
ニュースサイト「ITディレクター」は企業のデータ保存の方法について、データウェアハウジングの専門家ジェローム・ウェント氏のインタビューを紹介しています。かつて企業は容易に定量化できリレーショナルデータベースに保存できる情報源を中心にデータ管理を行っていましたが、現在は重視するデータが変化しています。
ウェント氏によると、企業は従来、構造化されたデータベースにあるもの、あるいはeメールなどの半構造化データだけを重視していました。現在は増加ペースが速い非構造化データをすぐ利用できる状態で安全に保管することに重点が置かれています。ビッグデータは企業が保有する資産のなかでも急速に拡大しており、未分類の保存データと知的財産を一緒に保管する状況も多くなっています。