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  7. これからの企業におけるデータサイエンスの方向性とは
2012.08.23

これからの企業におけるデータサイエンスの方向性とは
【Panorama Software Industry News より】

 ビッグデータの出現によって情報技術の全体的な構図が変化しつつあります。なかでもデータサイエンスは専門家から高い関心を集めています。情報サイト「スマートデータ・コレクティブ」は今後のデータサイエンスの方向性について、ジル・プレス氏が寄稿する記事を掲載しています。

 データ活用のさまざまな選択肢
 記事によると、プレス氏は企業のIT部門とデータサイエンティストを別々の部署に明確に分割し、それぞれが独立した機能を持つことを提案しています。この解決策によって、データを活用するユーザーが経営トップに向けてレポートを配信するなど調査機能を担うことが可能になると述べています。IT部門とは切り離した機能としてデータサイエンティストを採用しているプロジェクトの一例として、ペイパル (PayPal) を挙げています。

 プレス氏は別の解決策も紹介しています。データサイエンティストの機能は今後の企業にとってなくてはならないものであり、IT部門の一部として機能させることも可能であるというものです。この案ではデータが情報技術部門の基本原則として定着します。これによってIT部門の役割は、単にデータの管理という位置づけから変化して企業全体のデータ活用の変革における中心的部門となることが予測されます。

 プレス氏はIT部門の機能を営業部に引き継ぐことを提案していますが、これは困難を伴うでしょう。営業部門はすでにデータ分析に重点的に取り組み、顧客から多くのデータポイントを収集するとともに、商品開発に関するデータも収集しています。営業担当の経営責任者はこのような機能を直接統括してITに関する意思決定を効率よく実行することができると予測しています。アナリストのなかには2017年までにこのような方法が定着すると予測する意見もあります。

 小売業界の新しい取り組み
 ニューヨークタイムズによると、小売業界はすでにアナリティクスツールの新しい活用方法を発見しています。先進的なスーパーマーケットチェーンは顧客の過去の購買履歴に基づく個別価格設定の取り組みを推進しています。クーポンの活用や割引価格を定期的に配信するなど、従来のポイントプログラムよりもはるかに優れた価格設定に移行し、顧客の取り込みを図っています。

 このような顧客データと営業データの抜本的な統合には障害もあります。タイムズ紙が行った前回の調査によると、価格設定を常に微調整する業者に不信感を抱く顧客が多いことがわかりました。しかし多くの小売業は従来のポイントカードから、新しいシステムにスムーズに移行できると確信しています。