ソーシャルBIを活用する医療機関の成功事例
【Panorama Software Industry News より】
オーストラリア政府クイーンズランド州保健省ではビジネスインテリジェンス (BI) システムをアップグレードし、ソーシャル機能を導入しました。これによって患者治療に関するユーザー間の情報交換を活発にし、運営効率の改善を目指します。
クイーンズランドヘルス (Queensland Health) 開発担当部長ジョン・ケリー氏は、パノラマ社のソーシャル対応BIソリューション、Necto™導入の成功事例のインタビューで次のように述べています。「保健省では毎月発生する膨大なデータの管理とデータ活用によってメリットを得るために、BIソリューションの改革を行いました。複数の部門の上層部にタイムリーにデータを提供することによって、十分な情報に基づく意思決定の実現と、最終的な目標である効率の改善、コスト削減、高度な治療の実践が可能になると考えています。」
日本の約4.5倍の面積に人口およそ450万人を擁するクイーンズランド州は、保健省直轄の政府系医療機関「クイーンズランドヘルス」を運営し、1日に3万人の患者の治療を行っています。およそ7万人の職員のうち5,000人のユーザーが日常業務としてBIを利用しています。
パノラマ社のアジア太平洋地域担当営業部長、ジョナサン・ベンシャオル氏は次のように述べています。「州政府が運営するシステムには、巨大化するデータの処理と5000人ものユーザーという2つの課題がありました。ユーザーの業務が多岐にわたることと、トレーニング費用の増大に対応する必要があります。さらに全てのデータから多くのレポートが生成されるためIT部門によるデータ管理コストの削減も課題です。」
クイーンズランドヘルスの最大の問題は、ユーザーインターフェースの機能が不十分なことでした。このため保有する全てのデータを最大限に活用できていませんでした。非効率の一例として、大半のユーザーが類似のレポートを作成していました。レポート生成を適切に管理しなければ、類似や重複を生じることになります。Necto™は「重複レポートの生成をゼロにする」を確実にするソリューションです。
パノラマ社はBIシステムにソーシャル機能と業務文脈に応じて適切なデータを提供する機能を追加しました。この2つの機能は密接に連携して効果を上げることができます。「Necto™はユーザーの作業内容の傾向を把握しています。データ、洞察、人をつなぎ、職員と医療従事者がデータを共有するためのプラットフォームを提供します。職員がNecto™上で行うディスカッション、洞察、知識を保存することができます。」
クイーンズランドヘルスでは、ソフトウェア開発キットにより職員のポータルとBIを統合することができました。これによって州内の職員配置レベルが適切かどうかをスピーディに判断し、病床管理の改善や患者の待ち時間の短縮を実現しています。Necto™はデータ取得から意思決定までの時間をスピーディに短縮します。
新しいプラットフォームによって同じデータセットを異なるエントリーレベルから抽出して使うことができ、財務、人事、患者診察記録などのデータソースからデータを取得することができます。
現在Necto™は予算作成指標のひとつである3億件の「患者診療コスト」記録と外来患者およそ100万人の記録を接続し、投薬、採血、診断等の指標を測定して治療費の分析に役立っています。
この医療機関では従来は複数のBIコンポーネントを実行するだけで、データを一括管理する中央集中型のレポジトリは使用していませんでした。そこでこの問題の改善を目指し、BI戦略の一環としてMicrosoft SQL Server 2012を導入しました。パノラマ社によると、クイーンズランドヘルスのSQL導入規模はアジア太平洋地域で最大です。