2012.10.15

期待される高度なアナリティクスの有用性
【Panorama Software Industry News より】

 情報活用は企業にとって欠かせない戦略のひとつです。ビジネス・インテリジェンス (BI) 、ビッグデータ分析ツールはIT関係者の賞賛を得ており、その有用性については定評があります。ZDネットが配信するライブストリーム会議「テックライン」 (ZDNet TechLines) 」は、ビッグデータおよびアナリティクスに大きく期待する企業経営者が情報分析活用の成果について事例を紹介しています。

 いままでにない情報資源
 NASAのニコラス・スカイランド氏は、いまや情報は企業において大変重要な価値を持つ要素であると述べています。多くの業界で、データ活用の成否は成功している企業とそうでない企業を分ける決定的要因になっています。社外のデータソースから取得されるデータもありますが、市場で勝つために必要な大半の情報は、ほとんどの場合社内の情報基盤の中にあります。自社のデータセットを管理し、理解できる能力を持つことが重要です。

 スカイランド氏と同様の意見を持つフォードのマイケル・カベレタ氏は、データ分析作業は今後企業が重点的に取り組む必要がある有望な分野であると述べています。カベレタ氏はビッグデータ・アーカイブを利用可能にするスキルを持つ社員を確保する自社の取り組みを紹介しています。利用できる情報が分析可能になるようにアナリティクスプロセスを更新することが非常に重要です。

 ビッグデータの実際の規模とデータが発生するスピードは想像を絶するほどです。しかし、ビッグデータを活用して業績を改善することは実はかなり簡単です。会議に参加した「Tモバイル」の代表取締役、クリスティーン・トゥイフォード氏は顧客の動向を全体的に判断し、その情報を活用して顧客ごとにカスタマイズした働きかけを行い、サービスに反映して全体的な顧客経験を改善した成功事例を説明しました。

 まずは少量のデータからスタートする
 ビッグデータには差別化要因の効果が期待でき、今後数か月で分析ツール導入を検討する企業が増加する可能性があります。「ハーバード・ビジネスレビュー」によると、新規にビッグデータ分析を導入する場合は、システムへの移行プロセスを急ぐことなく着実に行うことが重要です。企業はさまざまなデータソースから収集する膨大な情報を単一のプロセスで分析することができますが、それは最初に行うべきことではありません。まず少量の情報に試験的プログラムを適用し、システムの潜在的能力の判断を重点的に行うことが重要です。