2012.10.25

アナリティクス時代の可能性
【Panorama Software Industry News より】

 さまざまな業種で企業がビッグデータ分析を手掛ける傾向が高まり、分析に業務文脈が付与されることによって、BIツールがいっそう進化することが期待されます。BIを使って多くの部署から収集する数値データを分析することにより、事実と数値について詳細に調べることができます。

 求められる新しいデータ活用手法
 企業は多様なデータソースからかつてないほど膨大な種類と量のデータを収集し、分析しています。その結果、IT部門がデータを保管し管理する手法、データを扱う手法を変革することが求められています。アナリティクスソフトウェアの役割は企業インフラの中で変化しつつあります。「テックターゲット」によると、シアーズホールディングスのCIOフィル・シェリー氏は、データの抽出、変換、取り込む機能 (ETL) について大幅にコストダウンを実施する企業が増加していると述べています。従来はあるシステムからデータを抽出してコピーし、形式を変化して別のシステムに移行しましたが、今はむしろ新旧のデータを大きな一つの塊として活用する方が効果的な分析が可能になります。

 Hadoopなど大規模なデータ保存ができるオープンソースソフトウェアによって、情報管理と分析の手法が大きく変化しています。いまや企業データを保存するシステム上に、直接アナリティクスツールを展開することができます。ビジネスインテリジェンスの究極的な目標ともいうべき、あらゆる業務課題に対応できるプロセスの開発に向けて各社が取り組みを進めています。

 考えられる障害とは
 BIプロジェクトがビッグデータ時代に移行するためには、障壁となる課題が若干あります。CIOの調査によると、ビッグデータプロジェクトを立ち上げる場合にIT部門が非常に大きな不安を抱えていることがわかりました。もっとも多かった回答は、経営トップの過度に慎重な姿勢によって予算不足が発生し、ビッグデータプログラムの開発が中断されるという懸念でした。

 他にも今回のCIOの調査で、企業にはビッグデータへの対応について3つの懸念があることがわかりました。データの拡大に対応できる複合的な技術を持つ社員がいるかどうか、既存のレガシーシステムと新しく導入するシステムの統合が困難ではないかという懸念、自社が保有するデータの質があまりにも低くシステムの効果的な立上げができないのではないかという意見が見られました。