2012.10.31

最適なアナリティクス活用とは
【Panorama Software Industry News より】

 ビジネスインテリジェンス (BI) に基づいて意思決定を行うというモデルは企業の業務プロセスに大きな変革をもたらします。情報サイト「テックターゲット」によると、コンサルタントのジェフ・ジーハン氏は、BIによる分析結果を適切に活用すると主要な業務課題の解決に役立ち、企業の成長を推進する効果があると述べています。

 経営幹部にメリットを説明し、説得する
 アナリティクスツールによって企業の今後の方向性を確認し、このデータを十分に考慮して意思決定に反映してもらうように経営幹部を説得する必要があります。ここで注意しなくてはならない点があります。

 未処理の数値データは、経営陣に情報を提示する場合には適切でない可能性があるとジーハン氏は述べています。アナリティクスツールの効果によって業務の実態が把握できることを経営陣に証明するには、表やグラフなど視覚化して表示するほうが効果的です。IT専任の技術者が社内で扱う情報を他部署の社員に伝達する場合は、そのままの形式ではなく、わかりやすい形式に加工する必要があります。

 会社組織内には、BIを重要なツールとして活用することを阻む保守的な意見があることも事実です。例えばリスクを回避しようとする、意思決定がコントロールできなくなる恐れがある、などの意見です。現在の意思決定は決定者の個人的な判断で行われる場合が多く、アナリティクスツールの活用によって改善される可能性があります。BI責任者はデータ活用のメリットについて、ゆっくりと時間をかけて経営陣を説得する必要があるでしょう。

 データサイエンティストの必要性
 企業にとってアナリティクスの専門知識が豊富な人材はますます重要になる見込みです。ビッグデータの拡大はこの傾向に拍車をかけるでしょう。「コンピュータワールド」によると、専門知識を持つ技術者の需要が高くなっています。企業はこうした専門的知識を持つ人材を育成するために独自の工夫が必要になります。

 このような人材の不足は、社内でトレーニングを行い、技術的に高度な専門知識がなくても使いやすいシステムを使うことによって解決できるでしょう。後者の取り組みは、IT部門以外の一般ユーザーを対象にするセルフサービスBIを導入することによって実現が可能になります。