顧客経験を向上させるソーシャルBI
【Panorama Software BI Blog より】
いうまでもなく、顧客サービスの向上は企業の普遍的な課題のひとつです。最近オラクル (Oracle) が発表した調査によると、現状では、ソーシャルメディアなどの革新的なデータソースを有利に活用する方法を確立していない企業が多く、苦戦していると言われています。
オラクル社の副社長デイビッド・ヴァップ氏は次のように述べています。「今回の調査によると、十分な顧客経験を提供しないと経営に深刻な影響があることは、あらゆる業界に共通して多くの企業が認識しつつあります。しかし実行にはさまざまな課題を解決する必要があるのが実情です。」
世界各国の企業経営者1,300人余りを対象に行った調査によると、顧客経験価値の向上は、最優先事項の中で第1位から第3位に入ると93パーセントの企業が回答しました。特にサービスの質の低下は、年間営業収益の20パーセントの損失につながると多くの企業が指摘しています。さらに、ソーシャルネットワークが今後顧客経験価値の向上のために最も重要なツールになると考えている経営者は81パーセントにも上ります。
「顧客や社員の力を最大限に活用し、企業内の縦割り型手法の打破、変化に対応できるプロセスや最新技術の導入を行うことによって、個別の顧客に対応した一貫性のある顧客サービスが提供できるようになります。」ヴァップ氏はこのように述べています。
調査によると、多くの企業が効果的なソーシャルメディア戦略を実行できていないことがわかります。実際に販売網の一環として、あるいは顧客サービスの手段としてソーシャルメディアを有効に活用していると回答した企業は、35パーセントにとどまっています。
ソーシャルBIの活用メリット
ソーシャルネットワーク上の無料で利用できる膨大な情報を活用しようとする企業が増え、ソーシャル機能のある顧客関係管理 (CRM) システムが急速に普及しつつあります。それは、特にCRMシステムの多くがBIアプリケーションと一体化しているためです。ソーシャルデータ分析はごく一般的なツールとして企業に定着しつつあります。
最近の「エンタープライズアプストゥデイ」はソーシャルCRMを使って営業、マーケティング、顧客サービスを改善できる方法を紹介しています。仕入、引合い、苦情などデータのさまざまな要素を分析することによって、売れ筋商品、販売が伸びている商品の把握、逆に販売不振となる可能性がある商品などを正確に把握することができます。このような正確な予測は顧客サービスの全般的な改善に大変役立つ可能性があります。
ソーシャルBIツールはトレンド分析を行うだけにとどまりません。「ビジネス2 コミュニティ」によると、社外のソーシャルメディアが運営するサイトでやりとりされている情報を、ソーシャルBIアプリケーションで追跡できるメリットを紹介しています。これは企業が新製品の売れ行きの可能性などを分析する場合に、特に有効です。