2013.02.15

企業が注目する「リアルタイムBI」とは
Panorama Software BI Blog より

 モバイル機器やソーシャルメディアなどの新しいITは、企業においても使いこなす社員が非常に増え、業務の最前線に浸透しつつあります。次のようなさまざまなメリットがあり、普及が進んでいます。

 - 社員が所有する機器を仕事場に持ち込むことができる
 - 企業内全体での共同作業効率の改善
 - 顧客との意思疎通がリアルタイムで可能になり、顧客接点が増え、交流が活発になる。

 企業はこのような戦略を統合的に実施する一方で、もうひとつの有望なIT技術であるビッグデータアナリティクスをどのように活用するかという困難な課題に直面しています。

 ガートナーの調査担当副社長、リタ・サラム氏は次のように述べています。「企業では今、秒単位で増え続けているデータ量の増大により、社内で分析・管理する時間の不足が大きな課題になっています。業務プロセスをスピーディかつ円滑に遂行するため、リアルタイムで運用できるBIは単に「所有するメリット」から「ビジネスで勝つための必須条件」になりつつあります。」

 セルフサービスBIへの移行
 ガートナーの調査によると、競争の激化、コスト増大、コンプライアンスの圧力とともに、意思決定の迅速化が求められるなかで、企業経営者、IT責任者はリアルタイムで運用できるBIを導入しなければなりません。セルフサービスBIがユーザーに定着し、使いこなせるようになれば、多大なメリットが実現される可能性があります。とは言え、多くの場合このようなソリューションは一般ユーザーが活用するには複雑すぎるため、少なくとも訓練の実施が必要でしょう。

 そこでガートナーは、ソーシャルやモバイルBIのようにすべての社員にとって使いやすく、理解しやすいアナリティクスの導入を提案しています。このようなツールは多くの社員が使い慣れた形式で使用できるため、導入当初のトレーニング時間が大幅に短縮されます。このため、競争力、技術革新、生産性の向上が期待できます。

 「インフォメーション・ウィーク」によると、プロクター&ギャンブル社のCEOであるボブ・マクドナルド氏は、「ビジネスインテリジェンスを周辺業務から業務遂行の中核へ持ってくる」ように助言しています。マクドナルド氏は、企業がリアルタイム・アナリティクスを実現するための3つの手順について説明しています。まず適切なソリューションを選択することから始まります。これは必ずしも最先端の高度なアプリケーションである必要はありません。むしろその企業と社員にとって、もっとも効果的なITを選定することが重要です。マクドナルド氏によると、BIを業務の中心として活用する風土の醸成に努めることが必要です。このためには、ガートナーの調査でわかるように、社員が使いやすいツールであるソーシャルやモバイルBIが必要になるでしょう。

 特に導入の初期段階では、BI導入のためのチームを編成することが有効であると述べています。最終目標はひとりひとりの社員がBIを活用することです。まず第1にBIの専門的技能に長じたスタッフを常駐させることが必要になるでしょう。