2013.02.25

セルフサービスBIを拡大するには
Panorama Software BI Blog より

 ビッグデータと分析ツールを組み合わせて活用するメリットは多くの企業が認識しているところですが、大半の企業は分析ツール導入になんらかの課題を抱えています。このような課題を解決すれば、全社的に導入を拡大することが可能になります。

 ガートナーの調査担当副社長、リタ・サラム氏は次のように述べています。「複雑に構造化されたデータの増加をはじめ、データの種類が多様化し、これまでなかった新たな洞察をユーザーに提供できる可能性が拡大しています。しかし、ただデータ量を増やすだけでなく、構造化データや洞察を適切に提供できなくては、実際のBI導入の効果があまり得られない場合があります。」

 ガートナーの最近の調査によると、企業では社員のおよそ30パーセントが分析ツールを使っており、数年前に比べてやや上昇しています。最近の「インフォメーション・マネジメント」の記事で、ベンタナ・リサーチのCEOであり調査担当主任のマーク・スミス氏はセルフサービスBIがここ数年、伸び悩んでいる理由について解説しています。

 企業経営者が重視するBIの評価基準として、使いやすさと機能性が上位2項目にランクされ、それぞれ63パーセントと49パーセントの回答者が重要であると回答しています。アナリスト向けの高度な機能だけでなく、一般ユーザーの具体的な業務ニーズにも対応できる「より高性能のBI」の開発が必要であるとスミス氏は提案しています。

 BIの転換期
 BIは、その複雑性から全社的な導入がなかなか浸透しないと言われていますが、この問題は近い将来改善される可能性があります。

 「インフォメーション・マネジメント」の記事によると、サラム氏は次のように述べています。「BI市場にはこれまでガラスの天井ともいうべき30パーセントの壁がありましたが、ようやくこのラインを越えて導入拡大に向かう転換期に到達したと思います。その理由のひとつは、すでに日常生活で使い慣れているツールに似た、使いやすい機器を使ってこれまでより分析の範囲を拡大したいというユーザーの要求があり、メーカーもそのような機器を市場に出しているためであると思われます。

 「ベンタナ・リサーチ」の調査によると、経営者はBI業界の技術革新を高く評価しています。BI導入の優先事項の1位から3位に、共同作業の機能を考える経営者はおよそ60パーセント、モバイルアナリティクスとする回答はおよそ56パーセントでした。およそ25パーセントの経営者はソーシャルBIに関心があると回答しています。

 サラム氏は、セルフサービスBIが近い将来主流になると予測する理由として、特にモバイルアナリティクスツールの拡大が重要な要素であると述べています。モバイル機器に組み込まれるアプリケーションが多くなり、従来のBIユーザーに加えて新規のBIユーザーにも透明性が高まり、利用しやすくなると期待されています。ソーシャル機能や共同作業機能をもつBIも開発され、技術革新がさらに進展する見込みです。