公的機関での本格的なビッグデータ活用
【Panorama Software BI Blog より】
企業経営者は、ビッグデータの活用によって予測分析、人事管理、ソーシャルな共同作業など、さまざまなメリットが得られることを認識しています。民間企業は予測分析、ソーシャル分析の機能を期待してビッグデータ分析ツール導入をリードしていますが、「テックアメリカ」の最近の調査によると、多くの行政機関ではビッグデータ導入の初期段階にあり、これから導入が本格化する見込みです。
SAPパブリックサービス社社長、ジェニファ・モーガン氏は次のように述べています。「異種のデータを統合し、リアルタイムで分析することによって、政府機関はビッグデータを「スマートデータ」に転換します。国民の納税金額の節約や、医療機関においては患者の治療を改善し、生命を救うための方法を明確にすることができます。」
調査によると、ビッグデータは政府機関の行政運営にかなり大きな影響を与える可能性があります。ビッグデータ分析ソリューションによって、政府の年間予算を10パーセント、合計でおよそ3800億ドル削減し、一人あたり1,200ドルの削減が可能になると80パーセント以上のIT専門家が推測しています。またリアルタイムビッグデータの活用によって、国民への個別の行政サービスを改善するための洞察が得られると、3/4の回答者が答えています。
ビッグデータのメリットは、特に医療分野においては予算削減以上の効果があります。政府関係者のおよそ90パーセント、州政府のIT従事者のおよそ75パーセントが、ビッグデータ活用による医療調査の整備などによって、毎年相当数の患者の生命を救える可能性があると回答しています。一方、ビッグデータの予測分析ツールによって犯罪件数の削減につながるという回答も75パーセントに上ります。
認識の欠如が導入の妨げに
ビッグデータは発展の初期段階にある技術ですが、その技術はすでに高度なレベルに達しています。ビッグデータのメリットが全社的に拡大することを十分に認識していない場合は、全社的な導入が困難になる可能性があります。
テックアメリカの社長、ジェニファ・カーバー氏は次のように述べています。「今回の調査から、コスト削減や行政サービスの改善が可能になることがわかりましたが、導入の妨げとなるものを克服する方法を早急に明確にすることも必要です。」
調査によると、導入への最も大きな妨げが個人情報保護、導入コスト、投資収益率の確保であるという回答はそれぞれ47パーセント、39パーセント、42パーセントでした。またSHLによる別の調査では、人事部門ではビッグデータ活用の方法が不明であると回答する企業が多いということがわかっています。
このような懸念はやや誇張されている面もあります。モーガン氏によると、公共機関がビッグデータ分析の活用によって最大のメリットを得るためには、上記の課題に取り組むことが非常に重要です。