ソーシャルとモバイルBIによる、リアルタイムアナリティクスの実現
【Panorama Software BI Blog より】

　企業の経営幹部やITの専門職はBI導入を主導してきましたが、ガートナーの調査担当副社長カート・スリーゲル氏によると、企業が求める本格的なセルフサービスBIの開発はやや遅れているようです。

　「BIは成熟した市場であり、ここ数年、最高情報責任者が最も重要視していますが、まだ十分に需要に対応できていない分野があります。人事、マーケティング、ソーシャルなど、どの企業にも多くの課題があり、BIやアナリティクスの導入にまだ着手していない部署も数多くあります。」スリーゲル氏はこのように述べています。

　ガートナー調査によると、ソーシャルメディア、モバイル、クラウドコンピューティングなどの技術革新の普及にともなって、BI市場は2013年に7パーセント伸びると予測されています。「フォーブス」によると、ガートナーのBI、アナリティクス、業績管理ツールの調査担当社長ダニエル・ユエン氏は、リアルタイム機能の実現により今後アナリティクスを導入する企業が増加していくと予測しています。

　セルフサービスBIソリューションの拡大
　ガートナーはクラウド、モバイル、ソーシャルメディアの3種類の技術革新を「Nexus of Forces（パワーの結節）」というキーワードで表現し、この3つがBI導入を牽引する重要な要素であると述べています。特にリアルタイムで使うBIダッシュボードやモバイル、ソーシャルBIによってより多くの部署がビジネスアナリティクスの導入を拡大する可能性があります。

　ソーシャルメディアやモバイルアプリケーションを活用するまでは、利用できるものは社内データに限られていました。ユエン氏によると、意思決定を効果的に行うために、企業は営業、マーケティング、人事などあらゆる業務にわたって常に制約のない自由な形式でデータを活用しようとしています。

　いま企業では、社外にある膨大な情報を利用して情報に基づく効果的な意思決定を行うことができます。例えば、製品管理者はモバイルBIを使ってダッシュボードから受注状況のプロセスをリアルタイムで確認することができます。一方、人事部門では社内のデータとソーシャルメディアの情報を併用して活用するという、これまでにない有利な機会を得ています。これによって不足している人材のスキル分野を把握し、人材育成の機会を提供することができます。さらに事業計画の実行や成長スピードの確保などを保証する適切な人材があるかどうかなど、非常に喫緊の課題にも適切に対応できるでしょう。

　ユエン氏によると、セルフサービスBIの発展のためにはソーシャルやモバイルBIソリューションの使いやすさが向上することが何よりも重要です。ガートナーの調査では2016年までにリアルタイムBIの半数以上が複数のオペレーティングシステム上で運用できるようになると予測しています。