クラウドを基盤とするBIで、共同作業を大幅に改善
【Panorama Software BI Blog より】
クラウドコンピューティングは2012年のIT業界で注目される専門用語の最上位にランクされています。クラウドを基盤とするアプリケーションは、当初はコスト削減の手段として導入したいと要望されていました。ここ数年は、オフィスを離れた場所からモバイル機器を使って業務を行うことができるようになり、eメール、データベース、最重要のアプリケーションなどをクラウドに移行させ、社員のニーズに答えようとする動きが始まっています。
最近ではクラウドコンピューティングがコスト効率、共同作業、生産性の改善をはじめとして、当初の期待以上に広範囲のメリットを実現できることがわかっています。機能性も広範囲にわたっています。
統合されたデータシステム
いま多くの企業経営者がビジネスアナリティクスに関心を寄せています。しかしデータベースの統合がほとんど未整備であることが、BI導入を困難にしているもっとも大きな課題のひとつになっています。
多量な情報量、特に最も重要なデータをクラウドに移動させると、ひとつの統合された環境でデータセットを使うことができ、情報を相互にやりとりする効率が大幅に改善されます。
フォレスターリサーチ社のアナリスト、ノエル・ユハナ氏は次のように述べています。「将来、データ管理プラットフォームは、さまざまな部署からリアルタイムにアクセスできるかどうかが重要になってきます。弊社ではデータセンターがなく、すべてのデータはクラウドまたはシステム上に保管されています。」
最近の調査によると、クラウドを基盤とするBIの導入は、今後数年間で急速に増加すると期待されています。クラウドを使う世界のビジネスアナリティクス市場は2013年から2018年の間に年間平均でおよそ25.8パーセント増加し、53億ドルから165億ドル規模への成長が予測されています。
クラウドを基盤とするBIのメリットとは
調査によると、クラウドベンダーによる自社のBIソリューションの展開よりも、BIサプライヤが自社のBIソリューションにクラウドを統合しなければならないという動きがあります。
クラウドを基盤とするBIはビッグデータアナリティクスからSaaSツールまで、急速に増加しています。その背景にあるものとは何でしょうか。
「アカウンティング・トゥデイ」の最近のブログ記事によると、アメリカのソリューションベンダー「iLumen」のCEOガニオン氏は、クラウドによって企業内コミュニケーションや共同作業を改善する方法を詳しく説明しています。従来はデータセット間での効果的なデータのやりとりが不可能であったことから、BIソリューションは最大限の機能性を実現することができなかったとガニオン氏は述べています。
一方、クラウドを基盤とする環境ではすべてのデータが同じ場所に保存されているため、簡単にアクセスして情報を取得することができ、企業内での情報の一貫性が保持されます。これによって質の高い共同作業が大幅に促進されます。クラウドコンピューティングを使うと社員全体が一貫性のあるデータにアクセスできるようになり、リアルタイムでの帳票作成が容易になるという専門家の意見もあります。