非構造化データの管理と整備
【Panorama Software BI Blog より】
社内で大量に発生するデータを適切に管理できるかどうかは、企業にとって常に大きな課題です。クラウドコンピューティングやソーシャルメディア、モバイル機器などの技術革新の普及に伴い、インターネット上でも社内のあらゆるデータを追跡できる態勢を整備することが求められています。
2月に発表されたBIに関する調査について、ガートナーの調査担当副社長カート・シュリーゲル氏は次のように述べています。「どの企業にもまだBIやアナリティクスを導入していない業務分野が、非常に多いのが実情です。特に人事、マーケティング、ソーシャルなどが課題となっています。」
ZDNetによると、医療機関では2015年までにデータ全体のおよそ80パーセントが非構造化データになるとIBMが最近発表しました。データ整備に関してすでに多くの課題を抱えている業界にとってこれは大きな問題です。しかしこれは医療以外の業界にも共通しています。
マーケティング部門や営業担当者は、ソーシャルメディアやモバイル機器を通じて自社の製品にどのような評価がされているかについて非常に高い関心を寄せています。一方、製造業者は非構造化データがサプライチェーンにどのような効果があるかについて非常に関心があります。また企業の経営トップ層はこのような情報をすべて入手し、活用して利益向上を目指そうと考えています。
これまでのところビジネスインテリジェンスおよびビッグデータアナリティクが非構造化データを把握し、分析するもっとも有効なツールであると考えられており、今後急増することが期待されています。中堅企業の多くはまだ本格的にBIやアナリティクスの取り組みを始めていないことから、アナリティクス市場は今後もっとも急成長するソフトウェアのひとつになると期待されています。
BIを活用する企業の増加
ガートナーの調査によると、BIへの投資金額は2012年から2013年にかけて世界全体で7パーセント増加し、2017年にかけてさらに33億ドル増加すると予測しています。しかし具体的に企業がどのBIツールに投資するかという選択は、今後数年間で大きく変化する見込みです。
ZDNetによると、アナリティクスの第1人者であるトム・ダベンポート氏は、特に非構造化データ分析のためにビッグデータ分析ツールを導入することが、今後のBI業界で最も大きな傾向となることは間違いないと述べています。企業経営者はシステムが提供する今まで得られなかった洞察を取得するためにビッグデータの活用に特に高い関心を寄せています。
そのためには、以下のような3種類のBI戦略があります。
- クラウドを基盤とするアナリティクス:ダベンポート氏によるとクラウドを基盤とするアナリティクスを活用する企業は世界企業全体のわずか13パーセントにとどまっていますが、この活用を進めている企業は今後2年間で年に84パーセントのペースで成長すると予測しています。
- モバイルBIアナリティクス:モバイル機器上で取得するデータを分析するもので、ダベンポート氏によると、これは企業にとって「導入するべき時期」にきているツールのひとつです。
- ソーシャルアナリティクス:顧客の利益向上と消費傾向の予測に役立つため、マーケティング担当者、営業担当者のあいだで特に支持されています。