政府機関のビッグデータアナリティクスの取り組み
【Panorama Software BI Blog より】
民間企業ではビッグデータアナリティクス活用によって多くのメリットを実現しています。ビッグデータの多様な活用方法とそのメリットの大きさに気づいた政府機関は今後ビッグデータアナリティクスへの投資金額を増やすと予測されています。
コスト削減メリットは民間企業のIT担当者が期待する重要事項ですが、政府機関ではこの他にも多くの目的を掲げています。
不正の防止やサイバー攻撃のリスク緩和
ビッグデータを活用した法律の施行による犯罪防止、裁判案件を迅速に処理するための法整備
診断、予防治療、救命医療の改善にもつながる可能性がある医学研究の改善
このような目的の達成には、まず初期段階として複数のデータベース間でのデータのやりとりを可能にする、ビッグデータツールによって生成されるレポートを分析し、増大するデータを効率的に管理する、などの手段が必要です。
公的機関のデータ分析事情についてIT情報サイト「ガバメント・テクノロジー」はトム・ケネディ氏のコメントを次のように紹介しています。「政府機関が処理するデータ量はますます増大しています。事実上ほとんど全ての電子データは簡単に複製され、増大し続けています。」ケネディ氏はソーシャルメディア、音声データなどあらゆる電子データは複製可能であることを指摘しています。
3つの課題
ビッグデータツールが普及している背景はその多大なメリットによるものだけではありません。使いやすさが大幅に向上し、導入コストが手頃になっていることから、大企業だけでなく中堅企業でも活用を検討するところが増えています。
ところが、政府機関向けのIT情報サイト「メリトーク」の最近の調査によると、政府機関の多くはビッグデータの活用が民間企業に比べて数年遅れていることがわかりました。政府機関では増え続ける膨大なデータの処理がうまくいかず、十分に活用できていない状態が続いています。さまざまな要因がありますが、多くの政府機関で解決するべき課題としてはデジタル情報の保管スペースに限界があること、データへのアクセスの効率化やコンピュータ処理の能力向上などです。このような領域ではデータ発見ツールが非常に役立つと言われています。
情報サイト「ガバメント・テクノロジー」によると、ケネディ氏は次のように述べています。「データ発見とは膨大なデータを全体的に取捨選択し、理論的に検索し、有用なデータを取り込むことができる機能です。電子情報開示の基本原則は、膨大なデータを取捨選択して詳細に調べ、有用な情報だけを発見できるようにユーザーの能力を向上させることです。このプロセスでアナリティクスの能力は大変重要です。」
データ発見ツールの活用によりデータの保管、アクセス、その他の複雑なプロセスを自動化することができるでしょう。これによって政府機関は目標達成のためにビッグデータ活用に重点的に取り組むことができます。
ケネディ氏は企業がビッグデータを活用して予測分析を行う方法を説明しています。膨大な数のファイルを一度に検索し、どれが有用なデータか、関連性がないデータはどれかを特定するための示唆を提示することができます。