マーケティングに役立つデータアナリティクス
【Panorama Software BI Blog より】
インターネットの発達とモバイル機器の普及の相乗効果により、消費者の購買行動に従来はみられなかった傾向が生まれています。いつでもどこにいても自由に商品を購入できるシステムを望み、万一問題が発生した場合は即座に対応できるサービスを期待する消費者が多くなっています。
多数の購入ルートを同時に使う「マルチチャネル消費者」の登場は、営業やマーケティングの担当者から見ると非常に恩恵が大きいと同時に、やっかいな事実でもあります。顧客はネットショッピングを活用し、従来の実在する店舗のように立地などの物理的な制約をうけません。そのような注文の多い顧客の要望に対応することは、マーケティング能力の限界を超える場合があると感じている営業担当者もいます。
テクノロジー・ビジネスリサーチ社 (TBR) のアナリスト、エリザベス・ヘンリン氏は次のように述べています。「企業全体にデータが急速に拡大し、ビッグデータを活用するシステムを導入する先進的な企業では大きなチャンスを得る可能性があります。今後は顧客のニーズと販売会社の能力を把握することがこれまでよりもさらに重要になるでしょう。」
TBRの最近の調査によると企業のBIとアナリティクスへの投資金額は2015年までに250億ドルを超え、今後3年で年率9パーセントの成長が予測されています。BI成長を牽引する最も大きな要因のひとつは、売上金額や顧客維持率の改善のためにデータ分析が必要であることです。
アイルランドに拠点を置くモバイル通信会社「O2」では、同社の現在の顧客基盤の維持のためにBIが多大な貢献をしています。
「O2」社のBI担当主任、ピーター・マケナ氏は次のように述べています。「わが社の商品を購入する見込みがある顧客、および購入を働きかけることが可能な顧客に投資したいと考えています。」
マケナ氏はおよそ6年前に「O2」社のデータ分析システムが集中型でないことに気づき、懸念していました。同社ではITインフラにかかるコストが非常に高く、いつでも必要な時に情報を入手できるしくみがなく、取得意思決定の効率が低下していました。
「O2」社には日次ベースでデータセットを生成するシステムが130もあります。現在の顧客は非常に多くのプラットフォームを使っているため、顧客データを一元管理するシステムがなくては情報を整理し、管理することは不可能であったと思われます。
同社では数年前にデータを一元管理する統合データウェアハウスを構築することを決断しました。これまでのところ極めて良好な成果を上げています。同社が実現したメリットは、単にデータセットを整理できただけにとどまりません。タイミングよく顧客を誘店するための大変効果的な施策を実行することができました。
「ダイレクト・マーケティング・ニュース」の最近の記事によると、一度顧客の誘店に成功すれば、データアナリティクスの活用によってさらに多くの売上を達成できる可能性があると指摘しています。アナリティクスを活用して詳細な顧客プロフィールを作成することができ、顧客個別の購買履歴をその場で引き出すことも可能になります。