フォレスター調査に見るBI環境の現状
【Panorama Software BI Blog より】
ビジネスインテリジェンスは進化を続け、機能の領域が拡大しています。開発初期の段階にはソフトウェアとしてのBIを定義する枠がありましたが、現在ではベンダー各社が次々と新しい取り組みを行い、機能範囲が大幅に拡大して制約がなくなりつつあります。ビッグデータアナリティクスの開発によって、分析する情報量が飛躍的に増加しています。またモバイルBIの取り組みが進み、ダッシュボードの携帯化が実現しました。セルフサービスBIの普及に伴ってアナリティクスはここ数年でさまざまな業界にユーザーを拡大しています。経営者層は詳細な行程表を作成して自社のニーズに適合するアナリティクスの機能を把握しようとしています。
最近の調査結果
フォレスターは最近ビジネスインテリジェンスに関する調査結果を発表し、BIの活用状況の傾向を解説しています。フォレスター社のアナリスト、チャールズ・グリーン氏によると、企業は今後数年でアナリティクス計画の範囲を拡大する見込みです。実は、現状では経営者層にはダッシュボードやレポート生成機能など、アナリティクスのもっとも基本的な要素も十分に浸透していないようです。多くの企業は標準的な機能のBI展開から、より高度な機能を追加するなど活用の取り組みを強化する傾向にあります。現時点では予測分析などの機能の普及率はおよそ21パーセントですが、今後急速に導入する企業が増えることが予測されます。
BIプロジェクトは企業のニーズに適切に対応することが求められています。企業経営者は今後もBI活用を最優先に考える見込みです。背景には、企業の経営判断が統計に基づく方法によって行う方向に、次第に変化しつつあるという要因があります。これを受けて、経営トップは競合他社に勝るBI計画を推進するために多大な労力を傾けています。グリーン氏によると、企業競争力を高めるためには複数のアナリティクスの「合流と組合せ」が有効です。高度なツールを適切に組み合わせて使用し、自社にとってどのアナリティクスが最も適切かを判断することが重要です。
企業の成果を定義する
BIは競合他社との差別化という新しい役割を担っています。BIの展開に関する意思決定は、今後ますますスピードが要求されるでしょう。SaaSなどのBI展開は一度に多額の予算支出の必要がなく、また新しいハードウェアやソフトウェアのインストールに多大な時間をかけずに、企業戦術の変更や新しい取り組みの推進が可能になります。またクラウドBIモデルの採用によって、適切なタイミングかつ効果的な方法で高度な機能をインストールすることが可能になるでしょう。BIを企業のIT戦略の中心として位置づけ、活用を改善する取り組みを推進することで競合他社に勝つ可能性が高まります。