2013.10.09

アパレル業界のBI展開戦略
Panorama Software BI Blog より

 小売業は顧客の購買行動をいかに把握できるかが非常に重要な業界です。家電業界、家庭用品などさまざまな分野に共通していますが、販売が好調な商品、不調な商品の把握、顧客の購買時期、どのような業態が顧客の関心をひくかなどについて、情報を効率よく収集することが課題です。

 データを分析し、すぐに役立つ情報として活用できる最適なソフトウェアとBIを活用することで、多大なメリットが得られることは多くの業界で定評があります。スマートデータコレクティブ (SmartDataCollective) の記事によると、もっとも適用しやすい情報を収集し、企業に合った規模でBIを使用することで、やがて多大な利益を生むことができるとリポートしています。

 BIは小売業界全体で広く活用され、最近では特にアパレル業界で成功事例が多く紹介されているようです。

 BI活用の最適化を進めるメイデンフォーム
 世界で最も有名な婦人衣料メーカーのひとつであるメイデンフォーム (Maidenform) は、近年ある特定の製品について顧客需要の正確な予測ができず、課題を抱えていました。サプライチェーンからこの情報を収集することができなければ、ある商品の需要がもっとも高い時期に適切な供給量を出荷することができなくなり、顧客の信頼を損ねます。

 メイデンフォーム社の最高情報責任者 (CIO) ボブ・ラッソ氏は、アパレル業界のニュースを提供する「(アパレル)Apparel」とのインタビューで次のように説明しています。「改善を継続するためにはデータの測定結果が非常に重要です。データがなければ、現在の地点や到達までどのくらいの距離があるかなどが把握できないでしょう。」

 メイデンフォームは上記のような課題に対応するため、BIおよびアナリティクスツールの導入を決定しました。これらのツールによって、主要業績評価指標を適切にしかも効率よく分析することが可能になりました。例えば10億件以上ものPOS(販売時点情報管理)データの記録に5秒以内にアクセスし、分析できます。さらにBIソリューションが機能すると、流通業で最近重要になっているオムニチャネル (**) 小売戦略の導入が可能になりました。

 米国の百貨店がマーケティング戦略にアナリティクスを活用
 記事によると、米国の百貨店メーシーズ (Macy's) も最近BIプラットフォームを導入しました。顧客の購買意欲の評価とともに顧客に購買意欲を喚起しそうな商品群に関する情報を収集し、メーシーズのデジタルマーケティング部門の業務を支える重要なツールとして役立っています。今回のBI導入により顧客のeメール配信中止の件数が対前年比で20パーセント減少しました。

 スマートフォンやタブレット端末は、膨大な商品データが利用できるモバイルアプリを通じて顧客に高度な機能を提供しています。最近では顧客が買い物をしながらモバイル機器を使う需要が大幅に伸びていますが、BIはこの対応にも最適です。

 **オムニチャネル:
 ウェブサイトやスマートフォンなどのデジタル分野と、実店舗などのリアル分野の双方に無数の顧客接点を設け、これらを融合して究極の顧客満足を実現するマーケティング戦略。