選挙活動で活用されるビッグデータ
【Panorama Software BI Blog より】
ビッグデータおよびアナリティクスは民間企業だけではなく、幅広い分野で活用され始めています。非営利団体、政府機関などの公共施設の多くがBIプラットフォームを使ってビッグデータデータ分析の実用化を始めています。例えばアナリティクスは、政治の分野で特に有用性が認められています。
政治の分野での利用でもっとも有名な例は、データサイエンティストのネイト・シルバー氏でしょう。彼は2012年のアメリカ大統領選で、古い考えを持つ多くの世論調査員からは批判を受け、あるいは軽視されましたが、選挙戦の結果を正確に予測したことで知られます。同じような取り組みは他にも数多く行われています。ZDNetによると、民主党全国委員会 (DNC) も同じような方法でビッグデータを活用して有権者の行動を分析し、洞察を作成してその時点での政治情勢の変化をよりよく把握することができました。これによってDNCは支援活動を促進し、最良の選挙結果を獲得することができました。
ワシントン市郊外にあるDNCのデータアーキテクチャの責任者、クリス・ウェグジン氏は、DNCでの有権者に関するビッグデータの活用をさらに進化させることを考えています。DNCは2008年の選挙運動期間中からすでにデータに基づく分析で優れた評価を受けていましたが、BI分析ソフトウェアの登場と最先端の技術により分析できるデータ量が飛躍的に増えました。BIは、TV広告などの利用とは別に、浮動票を持つ有権者をターゲットにする新しい方法を考え出すという点では非常に便利です。ウェグジン氏によると従来型のTV広告などの利用は「多額の無駄遣い」であると見なされていました。
DNCが収集した情報を集約すると、幅広い層ではなく、ターゲットとする特定の層の興味や関心についての情報を追跡調査できます。これで、党が支持する候補者に投票する可能性がある有権者だけを対象に選挙運動ができます。このようにして伝えたい主張を無視されることなく、効率よく伝えることができたというわけです。
ニューヨークタイムズによると、ぎりぎりまで投票する候補者を決められず、浮動票を持ついわゆる情報に乏しい有権者を探すには、テレビの視聴習慣に関する大衆データの追跡がある程度必要になります。DNCは最終的にESPN、ティービーランド (TV Land) などの局や、「ジミーキンメルライブ」 (Jimmy Kimmel Live) 、「ジミーファロン」 (Late Night with Jimmy Fallon) などの深夜番組でコマーシャルを打ち、極めて高い効果を得ることができました。