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2013.10.25

ビッグデータの取り組みにおける個人情報の扱い
Panorama Software BI Blog より

 多くの業界、多くの企業でビッグデータおよびアナリティクスの導入取り組みが行われ、日常業務の一環としてとらえる企業が多くなりました。ビジネス以外でもデータ管理は一般的なことと考えられています。例えば、スマートフォンで使うGPSの地図機能から、PandoraやSpotifyなどの音楽ストリーミング配信サービスで使うアルゴリズムなど、日常的に使われる機能にビッグデータを多用する範囲は飛躍的に拡大しています。その結果、一般人は自分の情報がどのように収集され、使われているかをある程度知っています。特に企業においては、会社側が社員のデータを追跡することは一般的と考えられています。

 例えば、最近のウォールストリートジャーナル (The Wall Street Journal) によると、害虫駆除を手掛けるAccurid Pest Control社は、社員のモバイル機器に搭載したGPS追跡データを使って、勤務時間中に私的な用事を行っているかどうかを特定する試みを行いました。企業の経営者サイドはこれをやや行き過ぎであると考えました。

 とはいえ、特に社員、顧客、個人情報の利用については、企業その利用とデータの追跡、アナリティクスの使用について透明性を高めることを最優先するべきです。この確認を怠ると監督当局から嫌疑を受ける恐れがあります。

 ニューヨークタイムズによると、アメリカ上院は教育技術に携わる企業のデータマイニングの実践について詳細な調査を始めています。上院議員エドワード・マーキー氏(民主党、マサチューセッツ州)の主導でこの件についての調査を行っています。企業のデータ収集にはメリットがありますが、一方でデータ収集の管理が不十分になり、個人情報の侵害の懸念も考えられます。この件についてマーキー氏は教育省長官アルネ・ダンカン氏に公開書簡を出しました。

 マーキー氏は書簡で次のように述べています。「教員は生徒の試験結果や学習能力についての詳細な個人情報の収集によって、生徒に対するより効果的な指導方法を発見できる可能性があります。しかしながら慎重に扱うべき生徒情報を民間企業に渡すと、保護者と生徒のプライバシーの権利について多くの重大な問題が発生します。」

 マーキー氏は、教育省長官、教育省に対し、どのような種類の個人情報およびアナリティクスデータが収集されていたかを正確に説明してほしいと要望しています。さらに、情報漏えいや悪用を確実に防止するために、どんな規制やセキュリティプロトコールを実施していたかについて、影響を受けた人および一般市民に情報を提供するよう求めています。

 記事で紹介されているように、生徒の情報収集は多くの学校で一般的に行われており、収集した情報を民間企業が利用することについて指針などはあまり設定されていません。このような取り組みの正当性について疑問が提起される事態を防止するために、BIでの個人情報の収集を多用する企業は、どんな情報を使用しているかを顧客や社員に対してきちんと説明するべきでしょう。