米国フォード自動車のアナリティクス活用事例
【Panorama Software BI Blog より】
アナリティクスおよびBIの活用についてやや懐疑的であった人々も、多くの企業から実際にBIのメリットを得ているという確かな証拠を目の前にして、BIを効果的に活用しています。BIの基本的な適用はデータ収集と分類ですが、これではごく表面的なBIのメリットに過ぎません。データはあらゆる業務の基本ですが、BI活用が成功すればその最終的な成果として多様なメリットを企業にもたらすことができます。
「スモールビジネストレンド (Small Business Trends) 」によると、ビッグデータ分析の専門家トーマス・ダペンポート氏は自身の著作でこの点をわかりやすく説明しています、ビッグデータ活用による企業のアナリティクス戦略についての最近の著作(原題:Enterprise Analytics:Optimize Performance, Process, and Decisions Through Big Data)で、ダベンポート氏は、ビッグデータがウェブサイト訪問数の定量化など比較的範囲の狭い目的にしか適用できないという考えは誤っているとし、多様な目的にBIやアナリティクスソフトウェアツールを活用しようとする大企業、中堅企業の取り組み例を数多く紹介しています。
また、アナリティクスの可能性を最大限に活用することで知られる企業としてフォード自動車 (Ford Motor Company) があります。環境問題を扱う情報サイト「環境リーダー (Environmental Leader) 」によると、フォードは環境の持続可能性への取り組みを重点的に行うためにBIプラットフォームから集めたデータを活用しています。環境にやさしい製品やサービスを提供する企業を求める顧客が増えていることを考えると、フォードは良識ある自動車メーカーとして評価できます。
記事によると、フォードは多くの取り組みにアナリティクスツールを活用しています。そのひとつが「フォードフリート購入プラン」と呼ばれるもので、フォードの車を多数購入する企業などの顧客に、できる限り燃費のよいモデルグループを選べるように提案しています。このシステムは車の技術仕様から収集するデータに基づいて個別の顧客に車種を推薦します。
フォードでは長期間にわたり、自動車から排出される二酸化炭素の量を予測する数学的分析モデルの構築に膨大な時間を費やしてきました。そのデータを活用してハイブリッドシステム、バイオディーゼル技術、エコブーストエンジンを開発し、今後開発する車のモデルの設計を行うとともに、アナリティクスを使った研究に基づいて自動アイドリングストップ技術の開発に成功しました。このシステムは車の停車時やアイドリング状態時にエンジンを切り、ガソリンの使用を効率的に削減します。
フォードでは、新車が生成するライブデータをフォード社のネットワークにフィードバックするように設計しています。フォードではこのビッグデータを有効活用して今後導入するアナリティクスプロジェクトを効果的に進める予定です。