2013.11.22

アナリティクスによる保険引受の業務改善
Panorama Software BI Blog より

 進化をつづけるBIおよびアナリティクスは、多くの業界で主要な役割を果たすまでに影響力を高めています。特に保険業界では引受業務、リスク計算、加入者の保険料の算出などデータを多く扱う業務にBIが重点的に活用されています。

 保険業界にはさまざまな分野があり、なかでも自動車保険引受などでは他の業種に比べてアナリティクスの導入が進んでいるようです。とはいえ保険会社が提供する保険の種類にかかわらずアナリティクスのメリットの基本的な性質はほぼ同じです。BIプラットフォームの導入を検討していなかった保険会社は同業他社のBI活用の成功事例を検討するべきでしょう。

 アナリティクスによる自動車保険の引受業務の効率化
 米国で保険業界の情報を提供するPropertyCasualty360(プロパティカジュアルティ360)によると、高度なIT技術が次々と開発され、保険引受処理の自動化は理論的には可能になっていましたが、多くの自動車保険会社ではこれまで引受処理は手作業で行われていました。慎重に扱う必要がある引受業務の性質からごく最近まで引受業務の処理は個別に対応する保険会社が多く、業務効率の改善が課題となっていました。

 アナリティクスツールの普及に伴って自動車保険会社ではBIを導入して引受処理業務の自動化を図るとともに、効率改善と処理スピードを加速する傾向にあります。記事によると、保険業界では引受業務はビッグデータのもっとも効果的な活用例のひとつであるという専門家もいます。

 他の保険引受処理でのアナリティクス活用
 記事によると、保険業界の他の分野では、引受処理は必ずしもアナリティクスを使って行う業務にはなっていません。複雑な賠償問題を重点的に扱う営利保険会社では、引受業務の自動化はリスクを伴う場合があり、誤りがあった場合は会社に重大な損害をもたらす恐れがあるためです。

 とはいえBIプラットフォームを活用して多大な成果を上げている営利保険会社もあります。労災保険を扱うチェサピーク (Chesapeake Employers' Insurance Company) 社では、2008年に予測分析ツール (predictive analytics) を導入して活用しています。チェサピーク社のマーケティングおよびIT担当上級副社長スコット・オール氏は アナリティクスプラットフォームの活用可能性について次のように述べています。

 「最終的には引受処理業務およびリスク分析の効率改善、処理スピードの加速、代理店と保険会社との業務を円滑にすることを目指しています。」

 保険業界ではすぐに利用できるデータが増え、データ蓄積によってリスク判断、加入者に受け入れられる保険料の決定に役立ち会社の収益もプラスになるなど、BIツールによって保険会社は大きなメリットを得ることができるでしょう。