2020年までに起きるBIの3大変化
【Panorama Software BI Blog より】
2020年にはあらゆることが実際に目に見えてわかるような世界になるでしょう。まず最初に、大きな変化として「物のインターネット」 (IOT) を取り上げましょう。2020年までにおよそ300億の物がインターネットで接続されるといわれています。「物のインターネット」によって膨大なリアルタイムデータが生成され、いつどこで何を、といった人の行動を把握することができるでしょう。
10億のセンサーがあれば、10億の洞察を取得できるのでしょうか。
物のインターネットによって、地中や海底に埋まるセンサーからウェアラブルデバイス、犬の首輪まであらゆるものがネットにつながります。これは膨大な数のセンサーが、膨大なデータを生成する世の中になることを意味し、今後はこれらのデータを処理し分析する方法を考える必要があります。これがうまくいけば洞察を発見する可能性は無限大になるでしょう。ところが膨大なデータのうちの大半はダークデータであり、この分析方法を確立するという課題があります。現在のところ推定では企業データのうちおよそ90%がダークデータであると考えられています。このダークデータについて洞察を取得しIOTのビジネスの可能性を実現するのがBIの役割です。
このことが第2の変化をもたらします。データアナリティクスは、ごく最近まで、ユーザーの質問に答えることを主眼においてきました。ユーザーが質問をし、プログラムが回答を提示しました。データアナリティクスツールは非常に簡単に答を発見できます。しかしユーザーにとってこれからの本当の課題は「適切な質問をする」ということです。
現状では、多くの企業が分析し、洞察を取得しているのはデータ全体のうちおよそ10%だけといわれています。この原因は「街灯効果」という観察バイアスによるものです。探している対象を、もっとも身近で簡単な場所で探すときにこの観察バイアスが発生します。人がこのような探し方をする理由は、この方法がやりやすいからです。人間は通常、自分の心地よいテリトリーから外に出ようとはしません。ですからこれは人間の潜在意識のせいであると言えますが、重要なことは、人間というものは何度も同じ質問を繰り返してしまうということです。当然、いつも同じ結果しか得られません。
自動化されたアナリティクスが洞察を明らかにする
ではこのような「街灯効果」を回避し、IOTから取得するすべての新しいデータから洞察を入手することは可能でしょうか。次から次へと新しいデータが流入しますが、これらはデータクレンジングがなされず、優先順位も付与されていません。したがって、どのデータが有益かを学習し、示唆してもらうには自動アナリティクスに頼ることになるでしょう。人工知能と機械学習システムなどは非常に未来的なことのように思われてきましたが、スマートデータディスカバリ市場においてはいまや現実のことになっています。
Panorama Necto16は自動アナリティクス機能を使ってデータにアクセスし、分析を行い、自動洞察や注目するべきデータの例外を発見します。特定のユーザーにどの洞察を提示するべきかを学習する特許取得のアルゴリズムを搭載しています。今後2~3年以内にこのような傾向のソリューションがさらに市場に増えることが予測されますが、次世代のソリューションは、自動化と、完全には代替不可能な人間の知能とをどのように組み合わせるか、という課題に直面するでしょう。
最高データ責任者 (CDO) の必要性
人間の知性は必要でなくなるわけではなく、それどころか今後もますます人間の知性がアナリティクスにかかわるでしょう。効率のよいデータ分析が今後も企業経営の成功を決定づける傾向が強まり、データアナリティクスにかかわるユーザーの数はますます増えるでしょう。2020年に予測される第3の大きな変革は、最高データ責任者 (CDO) の出現です。最高データ責任者 (CDO) は企業のデータ、情報の戦略や管理統治の責任者です。データ分析は、顧客情報の取得、売上や生産性、収益の改善など、ほとんどの主要な業務プロセスに必要不可欠なものになっていくことが予測されます。したがって企業はこのような活動を主導する責任者としてCDOが必要になります。
2020年まであと数年ですが光陰矢のごとし、という言葉もあります。これらの傾向がどのように進展していくかを把握して確実に時代の変化の先を行くことを心がけたいものです。